世界的な⼈⼝増加と経済成⻑を背景に、廃棄物の増加はグローバル課題であり、⼤量廃棄から脱却し、循環型経済(サーキュラーエコノミー)に移⾏することが必要と認識しています。ITインフラ流通事業では、クラウドサービスの普及を通じたサーキュラーエコノミーへの貢献を⽬指しています。繊維事業では独⾃の加⼯技術を活かし、植物由来のレーヨン繊維をはじめ、バイオマスやリサイクル原料を⽤いた商品開発に注⼒しています。産業機械事業では納⼊製品のメンテナンスによる⻑寿命化、端材のリサイクル、再⽣樹脂の利⽤、また全事業共通で廃棄物の削減に取り組んでいます。
ITインフラ流通事業については、サブスクリプション管理ポータル「iKAZUCHI(雷)」を活⽤したクラウドサービスの拡販に注⼒しており、取扱⾼は前期⽐39.4% 増加しました。iKAZUCHI(雷)は、サプライチェーンにおけるCO2排出量削減と管理⼯数の削減による業務効率化に貢献しています。また、既存のチャネルだけではなくグローバルに展開しているSaaSベンダーと協業し、⽇本国内のさまざまなユーザーのDXをサポートしています。
繊維事業については、⾐料品を回収してリサイクルしたセルロース繊維〈Recovis®〉や、芯を再⽣PET、鞘をコットンUSAで構成する2重構造⽷〈TWINLET®〉など、サーキュラーエコノミーを考慮した商品開発に取り組んでいます。また、バイオマス、再⽣可能な資源‧原料で構成する商品開発にも取り組んでいます。
産業機械事業については、加⼯の際に発⽣した作業屑(切粉)は、業者へ引き取ってもらい再利⽤するとともに、電⼒量削減につながる製品開発に取り組んでいます。
また、産業廃棄物については、端材のリサイクルやリユースなどの取り組みにより排出量が減少し、再利⽤率が向上しました(詳細は、ESGデータ「産業廃棄物」を参照ください)。

化学物質の法規制であるPRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)に基づき、製造あるいは使⽤した対象化学物質について、排出量‧移動量の管理と⾏政への届出を⾏っています。
対象化学物質は、主に可塑剤や溶剤として使⽤し厳重に管理しています。また⾮対象物質への切り替えや循環再利⽤を進めるなど、排出量‧移動量の削減に取り組んでいます。

⽔資源は、⽣物が⽣存するうえでなくてはならない重要な資源であるとともに、⽔害や渇⽔、⽔質汚染、利⽤可能な⽔量の制限など、さまざまな形で企業活動に影響を与える恐れがあることを認識しています。製造に係る⽔リスクについては、世界資源研究所(WRI)が発表した2019 年版の「Aqueduct(アキダクト)世界⽔リスク地図」によると繊維事業の製造拠点はいずれもリスクが低い地域に属しています。⼯程内で使⽤する⽔については、循環利⽤などの節⽔活動を継続的に実施しています。産業機械事業においては、⽣産上での⽔の利⽤はわずかであり、⽣活⽤⽔を主に使⽤しています。