ホールディングスの中核となるITインフラ流通事業を担うダイワボウ情報システム(DIS)は、2012年3月期に売上高を4000億円台に乗せ、今期も快調に業績を伸ばしています。IT業界におけるトップディストリビューターとして、全世界約930社のハード、ソフトメーカーから商品を仕入れ、国内1万7000社に及ぶ販売店を通じて全国隅々のエンドユーザーが必要とする商品や情報、サービスを最適な組み合わせで提供する仕組みが大きな力になっています。これによる取扱いアイテム数は、実に190万を超え、常時3万アイテムをストックしています。
しかしその根底にあるのは、創業以来30余年間しっかり守ってきた「地域密着・顧客第一主義」の徹底です。北海道から沖縄まで全国に張り巡らした約90の営業拠点と15の物流センターが機能して「地域密着・顧客第一主義」でDISの旗を高く掲げています。
ここでは、地域密着営業を日々実践する7人の支店長にその実態を聞きました。題して「7人のサムライが語る『地域密着・顧客第一主義営業』とは」。

 

 

官公需の「PC特需1万台」を取り込む

北海道は製造業が少なく、IT市場も限られるなど経済環境はあまり芳しくありません。ただ今期は、北海道庁を中心とした各振興局、教育局でのXPからのリプレイス需要が見込まれており、「PC特需約1万台」を極力獲得する決意です。広い土地をカバーするためには、札幌支店のみならず帯広・旭川・函館の3営業所での販売店密着も重要で、常に北海道全域を意識した営業展開を重視しています。
現在の販売構成は文教・官公庁需55%、民間需要45%の比率です。官公需に関しては、販売店様への訪問頻度を高めて情報をより早く入手するなどで案件囲い込みを強化しています。札幌は競合会社が多いため、情報の早期入手やメーカー、販売店様との三位一体の取り組みが不可欠です。半面、旭川・帯広・函館の各営業所は担当地域の主要なお客様との関係をしっかり構築し、商談全てを取得する意気込みで取り組んでいます。
当支店はSIer(システム)・NIer(ネットワーク)インテグレーターとの関係が正直まだ薄く、大手民需を満足に取得できていないのが現状です。逆に言えばまだ伸びしろは潤沢に
あるということで、営業推進グループの増員などでシステム系商談の模索や各種インテグレーターとの関係強化に注力する覚悟です。社員は全員、明るく元気です。日常はもちろん、土日も仕入先・取引先との懇親ゴルフやソフトボール、ボウリング大会などで汗を流しています。

 

 

「RCS」で感動・感激を体感していただく

円安でIT機器全般に価格が高騰していますが、PCを中心とした需要が供給を上回るほど市場は活性化しています。下期もPC需要の加速とともに、IT業界全体が飛躍する年であると考えています。
担当エリアでは昨年度予算化された官公庁・文教入札が多数行われており、マルチディストリビューターの当社が戦略的な協業で大型物件を多数落札するなど好結果も出始めています。支店の担当顧客は日本有数の大手電気メーカー及びそのグループ会社で、年商は合計7兆円を超えます。これを市場規模と考えると取り組むべき課題はまだ無限であり、同時にその将来性を感じずにはいられません。
地域密着営業の象徴が営業マンの機動力、行動力です。直接お客様と顔を合わせての提案型商談やコンサルティング営業は、顧客満足度の醸成はもちろん膨大な情報収集の場となります。情報量はビジネスチャンスであり、DISの強みとされるマルチディストリビューターの力を存分に発揮できます。
現在「付加価値サービス」の一環で、支店が一丸となって取り組んでいるのがCSを超える「RCS」(ロイヤル・カスタマー・サティスファクション)です。「得意顧客向けの特別サービスによる満足度」を意味し、当社との取引でお客様に満足していただくのは当然であり、その上で更に「感動・感激」までを体感していただく。これこそ「真の付加価値サービス」といえます。

 

 

営業の基本は「対面活動」を実践

広大な可住地と長大な海岸線を持つ千葉県は、東京都と隣接している強みを活かしてレジャー関連、病院、学校など様々な施設が増改築されており、併せて交通インフラの整備・強化が進んでいます。これら事業にむけてIT関連需要も増加しており、パソコンや周辺機器の販売が好調に推移しています。そういった中、現在支店が注力するのが文教分野です。近い将来実現するであろう生徒ひとり1台パソコン保有に向けての取り組みをメーカー、販売店様との協業で進めています。
お客様が欲しているものは「安い価格」だけではなく「有益な情報」であり、情報を提供することは強い信頼関係を生み出すとの発想で、地域密着度をより強めています。これら情報は、ユーザー様や地域販売店様と対面しての会話から得られるものが大半です。営業の基本は「対面活動」であることを支店内で周知徹底、有益な情報を得るべく訪問件数の具体的目標を持って実践しています。小規模の支店ならではのコミュニケーション力の高さが生き、支店内の様々な情報の共有も力になっています。
千葉県所在のユーザーでありながら、当支店が関わっていない案件がまだ多くあります。特に大手民間企業は、メーカー直販や東京都内からの商流で完結するケースがほとんどです。ディストリビューターとしてのメリットを生かして、これら案件にも介在することが今後の課題となっています。

 

 

身に沁みついた「トヨタカルチャー」

刈谷支店の商圏は、トヨタグループをメーン顧客とする販売店様と愛知県東部の三河エリアを主とする自治体、文教に分けられます。とりわけ前者のトヨタグループ及び関連企業とのかかわりは深く、売上の5割を超す期も少なくありません。海外偏重のきらいはありますが、ここへきて製造業中心に設備投資が動きつつあり、IT投資でもトヨタが「IT Reborn」のスローガンで最新機種を導入する動きを活発化。並行してシステムの増強や更新案件、XPからの端末入れ替需要が進んでいます。
また三河エリアでも、国内有数の大手メーカーが多数存在します。豊富な法人税収入は各自治体の懐を潤沢にしており、まだ開拓の余地は残されています。予算、キーマン、競合などの情報収集、それに基づいた的確な提案を心掛けています。
人材は何よりも刈谷支店の強さであり財産だと考えています。何事にも前向きに取り組める明るいメンバーが揃っています。販売店様、メーカーとの強固な信頼関係も自慢できます。支店を開設して24年、地道なビジネスで「トヨタカルチャー」も身に沁みついています。この間培ってきた販売店網、メーカー、人的ネットワークを駆使した情報力を販売店様との協業に生かしながら、現場主義、「報連相」の徹底、情報収集及び共有等を更に徹底。①トヨタグループへの新規商流立ち上げ②三河エリアの強化―という2つの強化ポイントに注力します。

 

 

「お客様の傍にいるDIS」を標榜

特定のエリアを持たず、主に大手SIer(システムインテグレーター)を担当する支店です。エンドユーザーも「大手製造業」と「医療」を軸とした顧客が中心です。製造業は景気の影響を受けやすい半面しっかりした提案には響きやすいのが特徴で、この間の投資抑止も円安をきっかけに経済が右肩上がりに切り替わる気配を感じています。医療は国の予算がつきやすく、パートナーのソリューションとDISの調達力、対応力で差別化を図ることでしっかりしたビジネスが展開できます。
「地域密着」の具現化として“お客様の傍にいるDIS”を目指し、極力顔を合わせての商談を心掛けています。メールや携帯などデジタル全盛時にあって、あえてアナログである「人と人の繋がり」によるビジネスです。多数のメーカーアイテムを扱うDISに、ビジネス拡大の限界はないはずです。「人脈開拓」をキーワードに、“モノを売る”のではなく“自分を売る”ことを意識、相手の立場に立って取り組む営業は確実に生きると考えています。
支店メンバーには、常に前向きで感謝する気持ちを忘れないよう徹底しています。仕事ですから嫌なことも辛いこともたくさんあると思いますが、それをいかに喜びや成長に変え、前向きに“プラス”に転換して受け入れられるかを指導しています。「元気な大阪第6支店」をスローガンに、いつでも前向きで元気であることを心掛けています。

 

 

製造業等の回復潮流を取り込む

支店経済都市「札仙広福」(札幌、仙台、広島、福岡)の一角広島市で県下全域を担当しています。全国的に依然、本格回復とは言えない中、当地は円安等々でマツダを含め製造業中心に回復基調にあり、「おいしい! 広島」が復活しつつあります。ここ両年の官公庁・文教等の大型案件頼りから、製造業・ライフライン系企業をターゲットに販売パートナー様やメーカーと共有目標を持って活動しています。
当地は中国地方の中心都市だけに、実に多彩で多くの販売パートナー様やメーカーが活動しています。それだけに彼らと毎期「何を、どれだけ、いつまでに」取り組むか等々の目標共有(予算コミット)が極めて重要です。並行して、支店イベントである「Power Day」(展示会)など各種プロモーション活動を連携して積極的に開催しています。
先達の努力でDIS のインナーシェアは他地域と比べハイレベルですが、一部にまだシェアの低いパートナー様、メーカーもあります。それだけに地域�・1 ディストリビューターとして、更なる関係強化や新ビジネスに挑戦する決意です。今期はXP からの買い替えや消費税対応等の需要をしっかり取り込むことに注力する計画です。
当支店の強みは「若さ」です。何事にも素直に向き合える「若さ」は、大きな魅力であり強さです。掲げた目標を達成することで楽しめるメンバー、チーム、支店を構築したいと考えています。

 

 

ITビジネスを通じ宮崎に恩返しを

宮崎県内全域を営業エリアとしています。牧畜などを中心とした農業県だけにTPP問題に揺れており、景況感は芳しくありません。また他県に比べIT投資は遅れており、都市部でのトレンドが2~3年遅れで立ち上がるような地域です。それだけにITビジネスの中心は自治体や教育委員会といった公共案件です。地場の販売パートナー様の縁の下の力持ちとして、通常宮崎県では展開出来ない製品メーカーとの繋ぎ役を担う一方で、宮崎に拠点がある強みを活かした「Face to Face」の対面商談はもちろん、懇親の機会も大切にしています。
当社は県内に拠点を置く数少ないディストリビューターの強みを生かして、各取引先様から引き合いの大半を頂戴しているのが現状です。それだけに更なるビジネス深耕を主眼に、地場販売店様と共に新たなビジネスの創出に汗を流しています。今期は消費増税に伴うシステム入替需要等を地場販社様と仕掛けています。
繰り返しですが、当地宮崎に拠点を構えていることがDISの最大の強みです。それだけに各営業メンバーには、当社がIT流通商社として日頃から大小さまざまな引き合いをパートナー様から頂戴していることを当たり前とせず、常に感謝の気持ちで日々の商品提案に活かすよう徹底しています。また縁があって配属された宮崎県に、「ITビジネスを通じて少しでも恩返ししよう」を合言葉にしています。

 

DISトピックス

 

悪天候の中、「DISわぁるどin山形」に1702人
111社の展示など過去類をみない大型ITフェア

ダイワボウ情報システムは7月17、18の両日、東北の山形市で恒例のIT総合展「DISわぁるどin山形」を開催しました。初日は猛暑、2日目は大雨という悪天候にもかかわらず2日間で1702人が来場するなど大盛況でした。国内外のハードメーカー、ソフトウエアメーカー111社の出展を含め、山形県内では過去に類をみない大型IT総合展示会として業界内外でも話題を呼んでいます。 DIS山形支店の中村哲也支店長は「当初計画を上回る多くのお客様にご来場いただき感激しています。東北復興の一助になったはずです。
引き続き販売店様と一緒に、地域の活性化につながるよう頑張ります」と語っています。

 

 

あいさつするDISの安永達哉専務

米マイクロソフトから最優秀の「Partner Award」
ディストリビューターでは日本企業で初の受賞

ダイワボウ情報システムはこのほど、米マイクロソフト本社から「Distributor Partner of theYear」として表彰されました。全世界から1万5千人のマイクロソフトのパートナーが集まって毎年開催される最大のイベント「Worldwide Partner Award 2013」で、前年に優秀な成績を収めたパートナーに対してアワードが贈られます。今回は日本から4社のパートナー企業が受賞しましたが、DISはディストリビューター部門で獲得したもので、この部門の受賞は日本企業で初めてとのことです。同社製品を大量に取り扱う実績はもちろん、マイクロソフトとの様々な取り組みが評価されたものです。