管理部門通じ融合加速 事業会社の経営を支援

 

─ 本年6月29日に開催された株主総会でダイワボウホールディングスの取締役に就任され、常務執行役員としてITインフラ流通事業、繊維事業、産業機械事業の各管理部門を統括することになりました。

グループ本社と、ダイボウホールディングスの財務IR室、人事総務室、法務コンプライアンス室を担当します。それぞれの事業会社の管理部門には共通する業務が多くあります。重複する業務は集約と一元管理を行い、管理部門を通じて融合を加速し、3つの事業に関する様々な情報がより的確に集まるようにしたいと考えています。人材の交流もさらに進めたいと思います。


─ 課題は何でしょうか。

2018年3月期までの3カ年計画で掲げた目標を確実に達成できるよう、途中経過をチェックしつつ対策を立てることが重要です。同時に次期経営3ヶ年計画の策定も進めていかなければなりません。

企業IRについても強化が必要です。コンプライアンスも一段と重要になっているので力を入れたいですね。法務においては専門スタッフを集めて、各事業会社の法務チェック体制を強化するつもりです。事業領域がグローバル化しているため、法務チェックの重要性が一段と増しています。各事業会社が営業活動に集中できるよう、しっかりとサポートしたいと思っています。
 

 

─ IRを強化したいとのことですが。

ITインフラ流通事業、繊維事業、産業機械事業の3本柱を持つことの魅力をもっと発信しないといけません。現状ではほとんどできていないと思います。当社の力から考えて、株価はもう少し高くてもいいはずです。そうなっていないのは訴求力が十分ではないからでしょう。近年、当社に注目する投資家が増えていますが、株主の皆様への情報提供だけではなく、多くの方に当社の事業に関心を持っていただくためにも、情報発信力を高めていかなければなりません。
 

 

─ 各事業会社の管理部門の融合についてはいかがですか。

例えば、事務処理、販売管理などのシステムの共通化が考えられます。もちろん各事業ではそれぞれ商習慣や商流が異なりますので、管理業務もそれぞれ特性があります。これまでITインフラ流通事業を専ら担当してきたため、繊維事業、産業機械事業についてはこれから勉強しないといけません。
 

 

─ 人手不足が日本全体の課題になっていますが、ダイワボウホールディングスが採用の窓口になることも考えられますか。

何らかのプラットホームとなることができると考えます。もちろん、各事業会社で求める人材像も異なりますが、人材確保の手段としてスケールメリットを生かすことは可能です。
 

 

─ 財務面についてはいかがでしょうか

ダイワボウホールディングスの連結売上高は6178億円(2017年3月期)です。10%の増収を目指すだけで、600億円の上積みが必要です。仮に1兆円を視野に入れるとなれば、既存事業での増収だけでなく、他の手法を考えなければ達成は難しいです。
 

 

─ 今後、ITインフラ流通事業、繊維事業、産業機械事業の3事業の融合が加速することになると思いますが、どのような形になるとイメージしていますか。

それが製品なのかサービスなのかは大きな問題ではありません。3事業の連携による新しい事業を創出しようと考えています。2つの事業の連携による事業は比較的アイデアも出てきますが、3事業連携となると共通項を見出すのが難しく簡単ではありません。各事業のビジネスモデルが異なりますので、融合できる部分とできない部分があります。いずれにしても、それぞれの事業会社の社員の「この会社が好き」「この会社をもっと良くしていきたい」という気持ちを礎に、新しい事業を考えたいと思っています。
 

 

─ ダイワボウ情報システムでは、営業職が長かったと聞いています。

32年間在籍しましたが、管理部門を担当したのは最後の5年間です。それまでは営業でした。その経験を生かして、ダイワボウホールディングス管理部門の新しい風になれたらと思っています。営業部門が思う存分仕事をできるように支援すると同時に、営業部門が陥りがちなリスクを未然に防げる体制を構築してまいります。