ダイワボウグループの繊維事業は衣料品から産業資材、生活資材まで幅広い領域で展開しています。近年、事業会社連携の取り組みも拡大しています。そこで今回は事業会社の若手社員がダイワボウグループの未来について語り合いました。

生活に密着したビジネスが面白い
グループとしての一体感も高まる

 

─ 現在の担当業務など簡単に自己紹介をお願いします。

楢﨑
私は2012年に中途採用でダイワボウポリテックに入社しました。以前は商社で海外営業を担当しており、その経験を生かして不織布の海外販売を担当しています。2016年から2年間、大和紡績香港に赴任し、帰任後の現在も不織布の海外営業を担当しています。

齋藤
私は2017年に入社しました。現在、除菌シートなど不織布原反の国内販売を担当しています。生活に密着した商品に素材メーカーとして携われるところに魅力を感じています。

河野
私は2011年に入社しました。カンボウプラスの主力商材は帆布・重布製品などですが、私は粘着テープや防音シートなどの機能資材を担当しています。

中村
私は2018年に入社しました。防音シートなど土木資材の営業を勉強中です。

 

 

城市
私は2002年にダイワボウレーヨンに入社後、最初の4年間は益田工場で総務を経験し、2006年から営業を担当しております。レーヨン短繊維の営業は紡績用から不織布用まで幅広く、ダイワボウポリテックとも連携を深めています。昨年9月に本社を御堂筋ダイワビルに移転しました。他の繊維事業会社と同じフロアで業務を行うことでグループとしての一体感を感じています。

工藤
私は2018年にダイワボウレーヨンに入社しました。10月から紡績用原綿を任せていただけるようになり、取引先を訪問しながら勉強しているところです。

音田
私は2008年に入社しました。高校卒業まで香港と米国に在住していたこともあり2010年から2014年4月までの4年間、ダイワボウノイニューヨーク事務所に駐在していました。その経験も生かして現在は中国やインドネシアで生産する衣料製品の販売や三国間貿易を担当しています。

 

 

三嶋
私は2018年にダイワボウノイに入社しました。学生時代から語学が好きで、また服に携われる仕事がしたいと思っていました。現在得意な語学を活かし、米国向けに衣料品の輸出を担当しています。

西村
私は2004年にダイワボウプログレスに入社しました。現在は産業資材の営業と開発企画を担当しています。取り扱う商品は幅広く、トラック幌などの帆布・重布製品のほか溶接作業用ユニフォームもあります。昨年の4月からはダイワボウ情報システムと連携してプロジェクタースクリーンの取り扱いも始めました。

松永
私は2014年にダイワボウプログレスに入社しました。技術職採用だったので、当初は和歌山工場でフィルターの開発に携わり、現在は営業を担当しています。

 


要求性能の高まりで高品質な製品にニーズ “サステイナブル”がキーワード

 

─ 各事業では現在、どういったニーズが高まっているのでしょうか。

西村
最近は自然災害が非常に多く発生し、インフラの復旧工事や補修工事が増えていることから、産業資材の商材の需要は拡大しています。

河野
産業資材の需要増と同じく、カンボウプラスにおいても手軽に修繕できる補修テープの販売が増加しています。

中村
2020年の東京オリンピックに向けて建設ラッシュが続いていることから、建築現場向けの防音シートなどの需要も高まっています。

松永
自動車のIT 化やスマートフォンの普及でそれに使用される電子部品の市場が盛況であることなどを背景に、電子部品の製造工程で使用されるフィルターの需要が増えています。要求性能も非常に高くなり、高性能な製品が求められています。

 

 

楢﨑
不織布製品の市場ではインバウンド需要、そしてアジアでの需要拡大という大きな流れのなかで、経済成長と連動して需要が増加するのがこれまでのパターンでした。例えばフェイスマスク用原反の市場規模は、日本の年間約2000トンに対して中国は約3万トン。まさに桁違いです。

齋藤
国内のインバウンド需要はやや一巡していますがコスメ向け不織布の需要はまだまだ拡大しています。

楢﨑
国内外ともSNSの影響も大きいですね。特に中国ではSNSで商品を紹介(コスメ用品等)し情報共有することが若者中心に流行しています。SNSを通じて世界に発信することが必要不可欠です。

城市
ダイワボウポリテックをはじめ、不織布メーカーへのレーヨン原綿販売が増加しています。加えて最近ではマイクロプラスチックによる海洋汚染への懸念が世界的に高まっていることもダイワボウレーヨンにとって追い風となっています。これを生かした差別化原綿をどれだけ開発できるかが今後のポイントになると考えます。

 

 

工藤
国内の紡績用途も、量的な拡大はしていませんがレーヨン原綿の安定した需要が続いています。

音田
やはり“サステイナブル(持続可能)”がキーワードです。衣料品でも大手SPAなどは環境負荷低減の具体的な目標を掲げて生産工程や調達を変える動きが強まってきました。それに対応したモノ作りが求められています。また、中国でも環境規制が強化されたことで、それに対応できない企業は廃業を余儀なくされています。このため協力工場に関しても環境関連の国際認証を取得するなどの取り組みの必要性が一段と高まってきました。

楢﨑
ダイワボウポリテックの取引先である大手衛材メーカーなども環境配慮やサステイナビリティーを企業理念として掲げ、具体的な取り組みを強めてきました。ダイワボウポリテックとしても開発レベルでの対応を進めており、生分解性原料や再生原料の活用などのテーマに取り組んでいます。

 


“ジャパン・クオリティ”を打ち出す 若手中心に新規商品開発プロジェクト

 

─ 今後、ダイワボウの繊維事業を更に成長させるために何が必要でしょうか。

音田
入社3年目から米国で勤務できたことが非常に良い経験になりましたので、次は香港で活躍したいと思っています。衣料製品販売の場合、欧米の大手アパレル企業の多くは、アジア地域の拠点を香港に置いています。香港での営業活動を強化することで欧米向けの新規取引を拡大することができます。

三嶋
現在、インドネシアなどで生産している紳士トランクスなどは対米輸出が中心ですが、今後は欧州への輸出にも取り組みたいですね。

城市
繊維事業はグループ各社が協業するチャンスがたくさんあります。ファイバーから糸、生地、縫製品、フィルター、不織布製品まで幅広い用途とアイテムを扱っています。その中でレーヨンは原料で、いわば黒子のような役割があります。ならば、その役割に徹することで販売先であるユーザー企業がしっかりと利益を出せるようにすることが重要だと考えています。

 

 

工藤
紡績用レーヨン原綿の販売を担当していますが、皆さんとお話をしていると不織布商材にも挑戦したくなりました。不織布の市場は成長し続けているので、紡績用途に加えて不織布用途のレーヨン原綿の販売拡大には大きな可能性があります。

河野
カンボウプラスの機能資材も海外市場の開拓は重要になります。入社当初より海外営業を希望していました。今後は海外への販売にも挑戦したいです。それには“ジャパン・クオリティ”を打ち出すことが重要ではないでしょうか。

中村
そのためにはマーケティング活動を行い、多くの情報を収集することが必要となりますが、私自身、会社の業績に貢献できるように、日ごろからアンテナを張って情報収集力を高めたいと思います。

 

 

西村
ダイワボウプログレスは産業資材を中心に多岐にわたる分野で事業を展開しています。その中で新たな商品を開発することが必要です。そこで昨年、4月から私も含めた若手が中心となって新規商品開発プロジェクトをスタートさせました。新規商品の開発ではグループ協業が非常に重要になっていきます。

松永
フィルターも新商品の開発が重要になります。商品開発は、営業担当者がユーザーのニーズを掘り起し、それが新しい商品の開発につながるケースが多い。ですから、そういった動きの火付け役になれるように、新しいテーマに積極的に取り組みたいと思います。

 

 

楢﨑
不織布製品は衛材もコスメも主力市場は中国です。しかし現地メーカーの技術力、品質の進歩が急速に進んでいる今、“日本製”と言うだけでは、あと数年で太刀打ちできなくなると思います。そこで当社は原料メーカーとしてダイワボウ・ノンウーブン・インドネシア(DNI)など海外工場も作ってきました。海外でも自社の原料と自社工場による適地適産体制が必要だと判断したからです。そうやって調達期間を縮めることの必要性が一段と高まります。

もう一つはフェイスマスク市場でのシェア拡大です。フェイスマスク市場は現在、年率20%台で拡大しており、2030年には1兆円規模になると言われています。この市場でダイワボウを代表する商品を作ることが必要です。

齋藤
除菌シートといった用途でも加工会社や製品メーカーと協働して市場開拓することが欠かせません。既に海外でも中国の病院向け除菌クロスなどの提案を進めています。

 


女性活用や働き方改革は時代の必然
まずは自分の意識改革が必要

─ “働き方改革”の重要性が指摘されています。皆さんが考える“働き方改革”は、どのように取り組みますか。

西村
最近、子供が産まれました。それに伴い、休暇を取ることも増えているのですが、部署の中でワークシェアリングできる体制を作る必要があると実感しています。また、業務内容が重複しているものについては、整理して効率化することが必要です。

音田
私自身は有給休暇も比較的しっかりと取っている方だと思います。10年前と比べると退社する時間も全体的に早くなっていることを感じます。そうするためには、業務時間中にどれだけ集中して仕事ができるかが重要でしょう。まずは先輩社員が率先し、定時になれば早く帰るなど、できることから始めることで若い社員の意識改革が進むのではないでしょうか。また、私も子供が産まれてから改めて、託児所など設備の必要性を感じています。実際に海外では託児所を持つ企業も多く存在し、日本もそういった会社が増えれば、子育て世代の大きな力になると思います。

城市
団塊世代は仕事中心の生活が当たり前でしたが、若い社員たちは仕事以外に個人の時間も大切にしたいと思っています。働き方改革という観点では、もう少しフレックスな勤務形態があってもいいのかもしれません。

河野
私は当社で初めての女性営業職として採用されました。そういった人は今後も増えてくるだろうし、いずれは管理職になる人も出てくるでしょう。しかし、今の働き方では女性が管理職の仕事をこなすのは難しいと感じます。だからこそ会社のサポートが必要だと思います。

楢﨑
私が入社した頃は、まだまだ根性論の時代でした。そういった雰囲気の中で育ってきた世代としては、自分自身の意識改革が必要だと思います。海外企業では女性マネージャーが非常に多いです。日本はもっと女性が活躍できる仕組みづくりが必要でしょう。今後、日本は人手不足がますます深刻になっていきます。働き方改革や女性の活躍というのは必然なのだと思います。
 

 

─ 本日はありがとうございました。