リスクを恐れず新たな挑戦で価値創造を

新たな中期経営計画「イノベーション21」第三次計画が2018年4月からスタートしました。初年度となる2018年度は第2四半期決算(4~9月)で過去最高の業績となるなど好調な滑り出しとなりました。野上義博社長に計画初年度の手応えと、2019年に向けた展望・抱負を語っていただきました。

 

 

─ 明けましておめでとうございます。昨年から新中期経営計画がスタートしました。初年度の手応えはいかがですか。

 

明けましておめでとうございます。昨年は雇用・所得環境の改善により個人消費が持ち直しの動きをみせ、好調な企業収益を背景とした設備投資が増加するなど、景気は回復基調を辿りました。このような情勢のもと、当社グループは昨年4月からスタートさせた中期経営計画「イノベーション21」第三次計画において、「ITインフラを主軸に、生活関連・産業分野での幅広い社会貢献型の経営を目指す」を基本コンセプトに、事業収益力の拡大と新たな事業領域の創造に取組み、連結企業価値の向上に努めてまいりました。

こうした中でダイワボウホールディングスの2019年3月期上期業績は、売上高は3526 億7400 万円(前年同期比12.7% 増)、営業利益は83 億4700 万円(前年同期比56.6%増)、経常利益は82 億6400 万円(前年同期比57.3%増)と昨年に続き増収・増益となり、過去最高の売上・利益を更新することができました。

各事業別にみると、ITインフラ流通事業は、法人向け市場において、好業績を背景とした企業の意欲的なIT 投資が堅調に推移し、さらに、2020年1月の「Windows7」サポート終了に伴う更新需要が高まりをみせるなか、地域密着営業を推進し、前年同期を上回る実績となりました。なかでも、企業向けでは製造業・情報通信業・サービス業を中心に受注が拡大し、官公庁向けでも首都圏や関西地区などにおいて実績が伸長しました。また、PC本体に加え周辺機器やソフトウェアを含めた複合提案の推進が実を結び、売上が大幅に増加しました。個人向け市場では、消費者の購買意欲が回復基調にあるなか、液晶モニタやAV機器などの周辺機器販売が好調に推移しました。

繊維事業は、合繊部門は原綿が衛生材料分野で販売数量が伸びたものの、原料価格の上昇で収益が圧迫されました。不織布はコスメ関連の売上が堅調に推移しました。レーヨン部門は衣料用機能原綿の販売が拡大しました。また、機能製品部門では、合繊帆布や工業用ゴムスポンジが前年同期を上回る実績となり、樹脂加工部門でも、テントやシートなどの重布製品の受注が増加しました。一方、衣料製品部門では、カジュアル製品、ブランド製品ともに販売が大幅に伸長しました。

産業機械事業は、工作機械部門において前年から需要回復が継続するなか、国内の航空機・金属素材分野を中心に受注が好調に推移しました。

自動機械部門は顧客からの要求水準が高い機台の生産において利益面で苦戦を強いられましたが、製菓・食品、日用品など幅広い業界の省人化需要の取り込みに注力し、売上面では前年同期を上回りました。

 

─ 2019年に向けた展望と抱負をお聞かせください。

 

本年の経済見通しは、米国の通商政策や海外経済の不確実性などの影響が懸念されるものの、全体としては国内需要に牽引され、景気回復が続くと期待されております。AIやIOTなどに代表されるテクノロジーの進化は目覚ましく、モノづくりや市場の構造は大きく変わろうとしています。また、働き方改革の浸透、シェアリングエコノミーの拡大など、人々のライフスタイルそのものにも新たな動きが見受けられます。このテクノロジーとライフスタイル両面での変化を察知し、リスクを恐れない新たな挑戦が必要です。

当社グループにおきましては、中期経営計画「イノベーション21」第三次計画において、基本方針として「ITインフラ流通事業のさらなる拡大」「繊維事業および産業機械事業での収益力強化」「コーポレート戦略推進による連結企業価値向上」を掲げております。この方針のもと、各事業が有する優位性を高め、強みや独自性を活かして、時代の変化に即応した顧客価値の創造に努めます。さらにESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続的な成長のための目標)への取り組みを強化するとともに、最適なガバナンス体制の確立により、当社グループとしての社会的責任を果たしてまいります。