今期から始まった経営3カ年計画「イノベーション21」第二次計画。ITインフラ流通事業、産業機械事業、繊維事業、関連事業それぞれの事業統括に計画達成に向けた課題と戦略を語っていただきました。

─ 関連事業の主な内容をお聞かせください。

関連事業で代表的な事業は、霧島国際ホテルを運営する大和紡観光のホテル事業、赤穂国際カントリークラブのゴルフ場事業、ダイワボウライフサポートの食品・保険代理店事業、ダイワエンジニアリングのエンジニアリング事業があります。またそのほかにグループの管理業務を請け負うダイワボウアソシエと不動産事業のダイワボウエステートがあります。グループの中では、とくにコンシューマと直接向き合う事業が多いというのが関連事業の特徴です。それぞれ歴史のある事業ですし、メーカーが運営している事業ということで誠実な経営と運営に対する信頼を得ていると自負しています。

例えば霧島国際ホテルは1971年創業ですが、今年4月には通算600万人目のお客様を迎えることができました。やはり最大のセールスポイントは温泉。この特徴を今後も大切にしていきたい。ホテル業というのは、部屋数に限りがありますから、大きく伸ばせる事業ではありません。しかし、繰り返しご利用いただくお客様を増やすことで安定した収益を確保できる事業です。お客様第一主義を徹底し、愛されるホテルであり続けることが大切です。

また、以前とは客層に変化もあります。団体中心から個人中心に変わってきました。ですから販売形態も旅行代理店に加えてネット直販などにも力を入れています。海外からのお客様を獲得することも重要になりましたので、外国語を話せるスタッフの配置や館内設備の外国語表示、Wi-Fi設備の充実などを進めます。現在、海外からのお客様の比率は全体の5%ですが、これを10%まで高めることが目標です。
 

 

─ゴルフ場事業や食品事業はいかがですか。

赤穂国際カントリークラブはコースメンテナンスに力を入れており、お客様からも高い評価を得ています。集客数も伸びており、年間約4万人のお客様にご利用いただいています。最近ではとくに岡山県地区への営業活動を強化し、県外からの利用者をさらに増やす戦略を進めています。

食品事業は主力商品である赤飯が人気です。加えて新商品も積極的に発表していますので、若い人にもファンを増やしていきたいですね。コンシューマと相対する各事業はいずれも、まずは“泊まって”“使って”“食べてもらう”ことが大きなテーマです。新鮮味を出して安定した収益を確保することが大切になります。

そのほか、エンジニアリング事業はメーカーとして欠かせない事業です。設計から施工まで一貫したサービスを提供できる強みを活かし、グループ外への積極的な営業活動が必要であり、そのためにグループ各社の商流を共有するといった協業も進めています。また、関連事業としてグループの技術を活用した新しい事業の模索にも取り組んでまいります。