オーエム製作所

テスト加工やプログラム研修の拠点に

展示する「VTLex1250」
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展示する「VTLex1250」

オーエム製作所は2018年10月に播磨テクニカルセンター(兵庫県播磨町)を開設しました。約290㎡の建屋には立旋盤1台を実機展示し、テスト加工やプログラム研修も行うなどユーザーへのサービス・サポートの新たな拠点として活用が進められています。

兵庫県の播磨地区は重電、建機から航空機エンジン部品まで重工業関係の加工メーカーが多数集積しています。このため播磨地区はオーエム製作所にとって国内の最重要地区であり、現在でも国内での立旋盤販売の約30%を播磨地区が占めています。1985年に播磨駐在所を開設してから約34年間、地域密着の営業活動を推進しており、こうしたサービス体制を一段と拡充するために、播磨テクニカルセンターを開設しました。営業担当5人、サービス担当1人が常駐し、今後も体制を強化することで、きめ細やかな営業活動と顧客サポートを実現することを目指しています。

建屋内には立旋盤「VTLex1250」(テーブル径1250mm)を常設展示し、テスト加工を行うこともできます。このためユーザー企業は実際の加工能力を確認することができ、成約を後押しすることが期待できます。また近年、金属加工の分野では難削材の加工ニーズも増加し、その対応のための新たな設備投資を検討する企業も少なくありません。こうしたケースでも商談段階で実際に立旋盤を使ってテスト加工を実施できるのは大きなメリットとなります。設置しているVTLex1250は高圧クーラント装置(切削液を高圧噴射して切りくずを強制排出することで、工具の破損防止による寿命延長、切削速度の改善、工数削減による生産性の向上などが見込める装置)も搭載し、幅広い金属材料の切削に対応しています。また、立旋盤のユーザー企業に対しては、継続的なメンテナンスや操作の教育が特に重要となることから、実機を用いて年3回のNCスクール(操作プログラム研修)を播磨テクニカルセンターで実施しています。これまで立旋盤のプログラム研修は長岡工場(新潟県長岡市)での実施のみでしたが、播磨テクニカルセンターでも開催することで播磨地区のみならず西日本地域のユーザーにとって利便性が大幅に高まっています。

昨年10月に開設以来、多くのユーザーが播磨テクニカルセンターを訪れるなど、その評価が高まっています。特にテスト加工とプログラム研修が好評です。田頭潤播磨営業所長は「今後、実機展示や研修を通じて、これまでのお客様へのサービスを一段と充実させると同時に、これまで立旋盤を導入していなかった企業にも立旋盤に触れる機会を提供し、新規顧客の開拓に取り組みます」と話します。