地域密着ネットワーク、一段と強固に

ダイワボウ情報システム(DIS)の売上高が3,000億円から4,000億円になるまでには9年が必要でした。しかし4,000億円から5,000億円、それも5,500億円へはわずか2年。驚異的な伸びでダイワボウHDを牽引するITインフラ流通事業の今後を、野上義博社長に聞きました。

 

 

─ 昨年度大きく飛躍した要因などをお話しください。

WindowsXPのサポート終了に伴う買い替え需要、更に消費税増税前の駆け込み需要による特需効果が大きかったことは否めません。このフォローの風を当社はしっかり受け止めることができましたが、ICT業界すべてがこの流れをキャッチできたわけではありません。全国の営業拠点が、約17,000社の販売パートナーとの協業で培ってきた地域密着ネットワークが生きたからこそ得ることができた成果です。更にはエンドユーザーが必要とする商品や情報、サービスを最適な組み合わせで提供できる仕組みや提案力が評価されて享受できました。地域密着営業と豊富な商品力等に代表される当社の「そなえ」を、メーカーや販売パートナーに信頼してもらった結果です。

急伸の背景にはもうひとつの要因があります。ICT業界は過去何年にもわたって商品価格が下落していました。それが円安の影響もあって、各メーカーは価格改定に動きました。意味のない価格競争を避ける一方で価格を改正する。恒常的な価格の下落はユーザーの購買心理を阻害しますから、今回の値上げを伴う価格安定は二重の意味で大きかったといえます。
 

 

─ さて今年度は、国内ICT投資が製造業など中心に減少するとの見方もあります。

確かに前年の反動が出るとの予測があります。このため当社も、目標数値等は慎重な計画です。ただ前半はXPの買い替え需要が続くはずです。XPの場合、12年3月末に一斉にアナログが停波した地デジテレビのような事態とは違います。中小企業や予算措置が必要な官公庁、文教中心にXPから置き換えていないユーザーはまだ少なくありません。4月以降もこれらユーザーの買い替えが着実に進み、平均単価も上がっています。当社は今期も、好調なスタートを切っています。
 

 

─ 問題は後半ということでしょうか。それに向けての対策をお聞かせください。

まずこの4月に大幅な組織改正を行いました。営業部門では首都圏を中心に支店の新増設に着手し、更なる販売拡大を目指します。首都圏を細かく地域割して、地方同様に地域密着を強めて巨大市場を攻める方針で、その効果が出始めています。また販売推進部門は単なる仕入れ業務ではなく、積極的に営業支援する体制にしました。更にサービス&サポート事業の専門性向上・強化を目的に、サポート推進部をグループ会社のディーアイエステクノサービスに移管しました。今後も一体化できるものは一体化するなど、「オールDISグループ」として最善の方策を図ります。
 

 

─ 通信・クラウド事業や文教市場への取り組みなども積極的に注力されています。

当社のビジネスは、パソコンを売って終わりではありません。多くの周辺機器やソフトなどを含むモノとサービスを融合させて、コトを売ることも重要なビジネスです。例えば文教市場ですが現在、実証研究を経てタブレットを中心としたハードやソフト、通信環境の提案などに着手しています。また教員のITリテラシー向上のための教員向け活用支援なども行います。この分野で当社が先行しているなどの評価は高いのですが、それに満足することなくしっかり実を取る。それもスピード感を持っての対応が重要です。
 

 

─ XPに続き、来15年7月にはWindows Server 2003の延長サポートが終了します。

Windowsサーバでは最新OSへの移行を含めた対応策が必要です。来年度に向けて大切なビジネスになるでしょう。こういったフォローの風や先述の注力事業で、今年度も5,000億円という一度乗り越えた峰を維持したいと考えています。業容が拡大すればするほど、ITインフラ流通事業の責任の重さと期待の大きさを感じます。5,000億円に満足せず、次の6,000億円、7,000億円のステージを目指します。
 

 

ダイワボウ情報システム

DISは全国各地で、「DISブランド」を冠した各種イベントを積極的に開催しています。今年度も4月からDISブランド名イベントだけで35回、取引先のイベントを加えると年間150回を超します。ここではその中から4つのイベントを紹介します。

 

 

 

大分・別府で「DISわぁるど」 過去最高の126社が出展

7月16、17日の両日、別府市の別府B-Con Plazaで開かれた「DISわぁるどinおおいた別府」には、過去最高の126社が出展。製造業を中心に地元企業関連や教育関係者など1,483人にお越しいただき、会場に広がる最先端のITテクノロジーやソリューションの提案を堪能してもらいました。次回は東日本での開催を予定しています。


 

 

 

「松江Power Day」来場者の滞在時間平均90分

5月20日、島根県松江市のくにびきメッセで開いた「DIS Power Day 2014 in 松江」はメーカー40社が出展、前回を大きく上回る109団体310人のお客様に来場いただきました。平均滞在時間が89分と長時間会場に滞在されているパートナーが多く、エンドユーザーに対してパートナーが提案の場としてもこの展示会を活用いただけたと確信しました。

今回はメーカーとのコミット施策をパートナーに事前展開するなど、Power Day を通じてメーカー、パートナー、ユーザー間の縁をDISが結ぶことができました。

 

 

名古屋でタブレット・ビジネスのセミナー

7月4日にDISの名古屋オフィスで、Windowsタブレットを活用したビジネス提案及び教育機関向けソリューションの「DIS Windowsタブレット Hands-On Seminar 2014 in NAGOYA」を開催、地元販売店15社・18人の参加を得ました。前半は基本操作、後半は企業導入に向けた提案ポイントと活用ソリューションを中心に最新情報をお届けしました。タブレット実機で実際の操作が体験できたため、より理解を深めてもらえるセミナーとなりました。

受講生のアンケートでも、9割の方が「期待通り」との高評価でした。これを機に、各販売店にタブレット・ビジネスを加速してもらうなど、伸長著しいタブレット市場への取り組みを強化していきます。

 

 

「DIS ICT EXPO 2014 Summer in大阪」に過去最高の1,686人

7月8日、大阪北区の新阪急ホテルで開いたDIS EXPOには過去最高の1,686人、それも大半が販売パートナー関連のお客様にご来場いただきました。1日だけの開催イベントにこれだけ多数の方にお越しいただき、会場は終日熱気に包まれていました。

内容的にもクラウド、モバイルなど最新トレンドを中心に業種別ソリューションに特化した展示で特色を出しました。また81社の出展社には、予め具体的な商談発掘を狙って「エンドユーザーの利用シーンが想像できる旬のソリューション展示」を依頼したことが奏功。来場者、メーカーの双方から好評をいただきました。