ダイワボウホールディングスの新たにスタートした3カ年中期経営計画「イノベーション21」第三次計画では、「ITインフラ事業のさらなる拡大」「繊維事業および産業機械事業での収益力強化」「コーポレート戦略推進による連結企業価値向上」を基本方針に、最終年度に売上高7300 億円、営業利益200 億円を計画します。また、IR 活動なども力を入れ、各事業、各事業会社の強みをステークホルダーに発信することに力を入れます。

 

 

─ 4月から新しい中期経営計画がスタートしました。計画全体のポイントはどのあたりにあるのでしょうか。

前中期計画ではITインフラ流通、繊維、工作・自動機械という主要3 事業でどのようにシナジーを発揮させるのかという点がポイントでした。今中計では、それに加えて各事業の強みをさらに発揮していくということに重点を置く計画となっています。売上高規模から見て、ITインフラ流通事業がグループ全体を牽引していく構図は変わりませんが、ステークホルダーの間ではメーカー機能への期待も非常に大きくなっています。ですので、ITインフラ流通事業も単純な商社機能だけではないものを作り上げることが中期経営計画でのポイントとなります。

繊維事業もこれまで積極的な設備投資を続けてきたことで戦うための体制が整いました。特に合繊部門、レーヨン部門を中心に事業を拡大していくことになります。そのために引き続き設備投資も行います。産業機械事業は受注と生産のバランスを上手く取りながら事業を運営していくことが重要になります。そのためには販売、生産ともに効率化を進めることがポイントになるでしょう。

加えて中期経営計画ではメーカーとしての力を付けていくことがテーマとなります。ITインフラ流通事業がグループ全体を牽引している間に、繊維と産業機械の各事業が収益基盤を強固にし、さらにそれを生かした新ビジネスにも取組むことが必要です。あるいは主要3 事業に続く4つ目の柱となる事業についてホールディングスとして考えていく段階にもなっています。
 

 

 

 

─ そうした取組みをグループ内外に発信することもホールディングスとしての役割となります。

グループ内では3 事業がそれぞれダイワボウグループとしての共通認識を持った上で事業に取組まなければなりません。そのためには、各事業がどのようなことをやっているのか、それぞれの事業の担当者が理解していることが重要です。そのためにグループ内に向けて情報を発信することもホールディングスとしての役割でしょう。さらには機関投資家なども含めたグループ外にも積極的に発信することが欠かせません。その一環としてIR体制も強化しました。今年から機関投資家や金融機関を対象としたIR説明会も実施し、46社に参加いただきました。

さらに毎月IR 担当者が機関投資家や金融機関を訪問して事業計画や業績について説明しています。大切なのは、ステークホルダーに対してダイワボウグループが何をしているのか、何をやろうとしているのかを深く知っていただくことです。

その際に基本としているのが“By Design , By Story”という考え方です。各事業とも目標の達成に向け、どのようなデザインで戦略を組み立てるのか、そして戦略はどのようなストーリーに基づいているのかを明確にすることがIRでは重要になります。新しく始まった中期経営計画でも、各事業ともデザインとストーリーを明確にした基本戦略を策定しています。
 

 

─ ホールディングス全体の財務部門や管理部門の役割も大きいですね。

財務政策に関しては今中計の3 年間で有利子負債のさらなる削減と自己資本比率向上で実質無借金経営とする計画になっており、あわせてホールディングスとして経営管理の強化も進めます。システム投資なども実施し、効率化を進めなければなりません。既に各事業で“ 働き方改革”が始まっていますが、これはホールディングスとしても取組んでまいります。

ダイワボウグループは各事業、各事業会社にたくさんの“ 強み”があります。それらを発信していくこともホールディングスとしての役割です。そして、ダイワボウホールディングスが魅力ある企業であり続けることを目指します。