“ 新加(シンカ)” する産業資材事業に 新たな製品領域、用途を開拓

 

─ 常務執行役員産業資材事業副統括、カンボウプラス社長として繊維事業の中でも産業資材分野を担当することになりました。

ダイワボウの繊維事業の中でも産業資材分野はダイワボウプログレスとカンボウプラスが中心的な役割を担っています。この度、ダイワボウホールディングスの常務執行役員に就任し、産業資材事業副統括として、このセグメントを強化していくことが自分の役割だと考えています。また、カンボウプラスの7代目の社長に就任しましたが、歴代の社長で営業出身者は私で2人目です。社会に貢献できる製品を多数そろえていることがカンボウプラス、そしてダイワボウの産業資材事業の強みだと考えています。実際に防災や災害復旧関連で需要のある製品がたくさんあります。東日本大震災以降、被災地の復興活動ではバッグやシートなど当社の製品が多く使われています。

─ 課題についてはいかがでしょうか。

カンボウプラスはここ数年、好調な業績が続いています。しかし売上高が大きく伸びていないということが課題です。これをどうするか。そこで従来の製品別ではなく、分野別の営業で拡販を進めています。分野ごとにいろいろな製品を提案することでニッチな分野にも取り組めるからです。既に防災関連などが主力分野に育ってきました。テント・シートの補修用テープ「ペタックス」のようなニッチな製品の販売も拡大しています。また、カンボウプラスの製品はB to Bの製品が中心ですが、カスタマーを意識したB to C製品の開発も進めています。例えばターポリン救護担架の開発や折り畳み式簡易水槽「アクアマイスター」などもあります。元々は防災や土木、農業用途などに向けて提案してきましたが、最近では保育施設のプールなどの引き合いもあります。

これまでは利益率を追求することで成果を上げてきましたが、今後はこうした新しい製品領域や用途を開拓することで、売上を拡大させていきます。
 

 

─ 海外市場についてはいかがですか。

ダイワボウプログレスのインドネシア生産工場にも協力しています。カンボウプラスの販売ルートでダイワボウグループの他の事業会社の製品を販売することにも取り組んでいます。

 

 

 

折り畳み式簡易水槽「アクアマイスター

─ 今後の抱負を聞かせてください。

セグメントを強化するという意識を社員全員で共有することが重要です。5年前から「“シンカ”するカンボウプラス」というフレーズを使ってきました。“シンカ”とは進化でも深化でもなく、新しく加えるという意味の“新加”です。事業を取り巻く環境は常に変化し、ニーズも変わっていきます。ニーズが無くなった製品は自然と消えていく。だからこそ常に新しいニーズに応える製品を新しく加えていかなければならないのです。それはカンボウプラスの社名にある“プラス”でもあります。

そして、新しく加える製品はカンボウプラスの製品に限らず、ダイワボウグループの事業会社の製品である可能性もあります。このように「“新加”する産業資材事業」を目指したいと思います。
 

 

─ 実際にダイワボウ情報システムと連携して電子サイン関連にも力を入れています。

これは今後も大いに期待しています。特に2020年の東京オリンピックに向けて、日本でもサイネージ関連の需要が高まります。デジタルサイネージなどはまさにグループの各事業が連携することで可能になった新しい製品です。