ITインフラ流通、繊維、産業機械の各事業の実績をリードした部門に、2018年度の成果と課題、それぞれの事業の中で今後目指していく役割について話を聞きました。

 

祖業である繊維事業の拡大に貢献

商品カテゴリー拡大やEC強化も推進

 

─ ダイワボウアドバンスの主力事業についてお聞かせください。

 

当社はライセンスブランドの衣料品の企画・製造・販売会社です。メンズ・レディースでは「FILA」「T&C」「Prince」「silvia&silvester」、キッズでは「Champion」「Hanes」「Wilson」といったブランドを扱っています。アイテムはTシャツやトレーナーなどカットソーが中心ですが、ダウンジャケットなどアウターも展開しています。


─ 2018年度の事業状況をお聞かせください。

特に「FILA」「Champion」ブランドの販売が好調でした。昨今、カジュアル分野ではスポーティーカジュアルやアスレジャーといったスポーツの要素が入ったデザインやコンセプトがトレンドになっており、「FILA」「Champion」のブランドがこのトレンドにマッチしたことが大きな要因です。加えて、量販店の衣料品販売が低迷する中で、大手の専門店・セレクトショップへの販売を強化したことが成果を上げました。量販店では店頭に並ぶブランドがかなり絞られている傾向がありますが、専門店・セレクトショップの販売拡大の相乗効果により、当社が扱うブランド商品が選ばれる機会が増えています。商品の生産においては、グループ企業であるダイワボウノイの海外縫製子会社を活用しています。縫製品質が高く、使用する綿糸も「テキサス7」など独自性があることで人気があります。これも専門店やセレクトショップで評価された要因です。

 

─ 2019年の重点戦略や課題についてお聞かせください。

 

現在、衣料品の市場環境は非常に厳しいものがあります。その中で、現在の売り上げ規模を維持・拡大することがテーマです。カジュアル分野はトレンドやシーズン性による消費者ニーズの変化も激しいですから、いかに速やかに対応できるかが課題の一つです。変化をいち早く察知して提案につなげていかなければいけません。また、小売店も常にプライベートブランドとナショナルブランドのどちらの販売に力を入れるのかという点で揺れ動きます。そうした中で、専門店・セレクトショップはナショナルブランドを品揃えにうまく取り入れようとする傾向が強まっており、情報収集力とマーケティング力を強化し、きめ細やかな営業活動を進めることが不可欠です。さらに生産面での改革も進めます。現在は納期対応の面から中国での生産が中心ですが、今後はインドネシアやベトナム、カンボジアなどへのシフトも進めたいと考えています。生産現場でのコンプライアンスやCSRに対する関心が高まり、顧客からの要望が増えてきています。インドネシアにあるダイワボウノイの縫製子会社では、しっかりとした対応ができることから、生産拠点として活用することができるのが当社グループの強みであります。

 

 

 

─ 今後、繊維事業の中でどのような役割を担うことを目指していますか。

 

グループの祖業である繊維事業の拡大と繁栄に、アパレルメーカーとして貢献することが当社の役割です。これからは衣料品のみだけでなく、雑貨などのアイテムも増やすことが必要です。販売戦略の面ではEC(電子商取引)のニーズへきめ細やかに対応できるよう、これからの課題に取り組みます。