連結売上高7,000億円突破で過去最高業績を更新

ダイワボウホールディングスは、2009年7月に商号変更を行って新たな 経営体制を発足させてから、本年7月で10周年を迎えました。中期経営 計画「イノベーション21」第三次計画の初年度である2019年3月期は、売 上高・利益ともに過去最高の業績となりました。野上義博社長に中期経営 計画初年度の総括と、今期の事業方針について伺いました。

 

─ 2019年3月期を振り返って、総括をお願いします。

 

2019年3月期の連結業績は、売上高7,855億円、営業利益227億円、経常利益228億円、当期純利益167億円と、前期に続いて過去最高を更新し、中期経営計画「イノベーション21」第三次計画の初年度として好スタートをきることができました。

事業別に振り返りますと、売上高の約9割を占めるITインフラ流通事業は、国内企業のIT投資が底堅く推移したことに加え、2020年1月に控えたWindows7のサポート終了や、生産性向上・コスト削減へのニーズを踏まえた需要を的確に捉えた販売戦略により、グループ業績を大きく牽引しました。特に法人向け市場では、PC本体の販売台数を大きく伸ばし、PCやモバイルデバイスなど端末を中心とした商談を軸に、複合提案を強化したことで、周辺機器やソフトウェアの販売も拡大しました。

繊維事業は、原燃料費の高騰により合繊・レーヨン部門で利益面に課題を残しましたが、繊維各社が赤字や減益に陥るなど苦戦するなか、マーケットでの存在感を発揮しています。産業機械事業は、国内外における航空機業界の活況により、主力である立旋盤の受注が伸長しました。


─ 中期経営計画は2年目の折り返し地点となりますが、今期の方針をお聞かせください。



中期経営計画について、初年度から大幅達成となりましたが、最終年度にはITインフラ流通事業におけるPC更新需要の反動減を見込んでおり、2年目の今期がピークになる見通しです。そうした中、最終年度の計画達成にこだわった事業推進により、中期経営計画対比では3か年すべての計画を達成するべく取り組んでまいります。

当社グループの今期の事業方針として、「積極的な事業展開による収益力の向上」「未来志向の新ビジネス創造への挑戦」「成長を支える経営基盤の強化」の3点を掲げています。
まずは「積極的な事業展開による収益力の向上」です。当社グループは、異なる業種の事業体により構成されています。各事業により、市場の成長性や成熟度は異なりますが、それぞれに競争優位性の追求、顧客満足度の向上や品質へのこだわりといった従来の取り組みを深化させ、収益性向上を図ります。

2点目は「未来志向の新ビジネス創造への挑戦」です。昨今、AIやIoTに代表されるテクノロジーの進化により、モノづくりや市場の構造が大きく変わろうとしています。また、働き方改革の浸透やシェアリングエコノミーの拡大など、人々のライフスタイルや価値観そのものにも新たな動きが見受けられます。このテクノロジーとライフスタイル両面での変化を好機と捉え、ビジネスチャンスにつなげてまいります。

3点目は、「成長を支える経営基盤の強化」です。当社グループの総合力・ブランド力を高めるために、ホールディングスとしての組織強化により、ステークホルダーに対する情報発信力やIT化推進によるグループ統括機能の強化を図るなど体制整備を進めています。また、中長期の視点で人材育成・技術体制を強化するために、戦略的投資を行っていきます。

 

─ ダイワボウホールディングスの体制となってから10周年を迎えました。

 

当社は2009年にダイワボウ情報システム、2011年にオーエム製作所と経営統合し現在の事業体制となりました。業績を振り返ると、初年度の2010年3月期は売上高4,489億円、経常利益は36億円でしたが、ホールディングス体制10周年となる2019年3月期では、売上高は約1.8倍の7,855億円、経常利益は約6.3倍の228億円と、この10年間で当社は目を見張る成長を遂げることができました。

また年度末株価は1,940円から約3.3倍の6,370円、1株当たり配当金は30円から約6.6倍の200円となり、株式時価総額は1,000億円を超えて企業価値も向上しています。

今後もグループ一丸となりさらなる成長を続け、新たなステージを目指さなければなりません。そのためには事業の垣根を越え、社員一丸となり次世代の当社グループを支える成長ドライバー事業の創造が必要となります。ダイワボウホールディングスは、さまざまな変化に対応できる企業グループの構築によって長期的に企業価値を高め、ITインフラ流通を主軸とした幅広い社会貢献型経営を推し進めてまいります。