ダイワボウ情報システム

RPAで“働き方改革”を促進
2020年には全国展開で70人分の業務負担軽減を目指す

人手不足や高齢化を背景に、先進国の多くでは生産性の向上が大きな課題となっています。特に日本では、より効率的で多様な働き方を実現するための“働き方改革”への要請が一段と強まりました。そのためのツールとして注目されているのが業務の一部をロボットシステムで自動化する「ロボティクス・プロセス・オートメーション(RPA)」です。ダイワボウ情報システム(DIS)は、これをいち早く導入し、業務の効率化に取り組んでいます。

 

 

 

RPAは、PCを使った入力、集計、参照といったさまざまな事務作業を、ソフトウェアのロボットが代行するシステムです。24時間稼働が可能なため、それまでは人間が行っていた作業を大幅に効率化できます。このためRPA導入によって従来以上に人材をコア業務に充てることができ、生産性の向上につながることが期待されています。

DISは2017年5月からRPAの検証とトライアル運用を開始し、営業業務への導入を進めました。それまで営業社員が担当していた事務作業をロボットに代替することで生まれた時間的余裕を、本来のコア業務である営業活動に振り向けることが狙いでした。2018年9月にトライアル運用を完了し、11月には全社への円滑な導入を進めるために社内にRPAセンターを設置し、ロボットの開発などを進めました。そして1年後の2019年11月には、月間で1,494体のロボットが稼働しており、それにより48人分相当の業務を自動化することに成功しています。2020年には全国の支店・営業所への展開を完了する予定です。これにより70人分相当の業務量削減を目標にしています。

 

RPAが納期回答書を自動作成
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RPAが納期回答書を自動作成

RPAは単純な事務作業で導入されるケースが多いですが、DISでは営業部門に先行して導入したことに特徴があり、納期問い合わせへの回答、データ転記、在庫状況の報告など幅広い営業事務を自動化しています。表計算ソフトのマクロなどと異なり、RPAはアプリケーションをまたいで活用できるという点も大きなメリットです。例えば、ロボットが取引先の発注サイトにログインして、注文受付や見積書作成を行い、その内容を担当者が確認しメール送信する、といった一連の事務を自動化することができます。

こうした取り組みに関して、RPAの導入を担当するシステム推進部の藤田光徳部長付は「ロボットの作成・導入・運用には、自動化できる定型業務の洗い出しを利用部署で行うことが重要。そのためには利用者および管理職がRPAを正しく理解することが欠かせない」と指摘します。システム推進部と営業部門が一緒になって取り組んだことで、業務そのものの効率化に向けた見直しが進むなどRPA導入の成果だけでなく、副次的な効果もありました。現在、RPA導入の成果に対する検証作業も進めており、見積書作成ロボットなどは営業部門から高い評価を得ています。システム推進部では、検証結果を踏まえながら、さらにロボットの拡充や高度化に取り組んでいます。

 

ライセンス商材の更新見積を自動で送付
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ライセンス商材の更新見積を自動で送付

 

提案型ビジネスの拡大にも貢献

DISは複数のRPA関連商品を販売しており、RPA導入は自社だけが対象のテーマではありません。さまざまな業種でRPAに対する関心が高まっていますが、DISはセミナーなどを通じて自社で運用してきた実績などを紹介しています。藤田部長付も「実際に稼働しているロボットの成果を紹介することで提案先からは高い評価を得ている」と話します。DISは、IT機器の販売に留まらず、導入事例を交えた提案型のビジネスモデルの拡大に取り組んでいます。RPAのシステムもその一つで、システム推進部が営業に同行して説明するなど、社内の導入事例がビジネスに貢献しています。

RPAによる業務効率化と“働き方改革”の成果を上げているDISでは、2021年以降、さらに人工知能(AI)などとの融合も視野に入れ、より高度な業務へのRPA導入を目指します。