2016年度の業績を牽引したITインフラ流通事業、収益力が高まった繊維事業、工作機械に加えて自動機などで新たなニーズへの対応で期待が高まる産業機械事業。ダイワボウグループの主力3事業はそれぞれが独自の強みを発揮しています。ITインフラ流通事業の中核であるダイワボウ情報システム、繊維事業でも積極的な投資とグローバル展開を進めるダイワボウポリテック、産業機械事業の中でも自動化・省人化ニーズの高まりで注目が高まるオーエム機械に焦点を当て、その強さの秘密を探りました。

 

 

オーエム機械はオーエム製作所から2014年に分社して設立されましたが、自動機事業は第1号機となる石鹸用カートナー(小箱詰機)の開発から61年の歴史があります。現在では食品・製菓や医薬品向けのカートナーが中心です。また、小箱をフィルム包装するフィルム上包機、そして段ボールケーサーも生産・販売しています。

近年、人手不足に対応するため、省人化のニーズも高まり、医薬品メーカーなどでは効率化やコストダウンのために包装ラインの自動化を進める動きが強まりました。このため当社も医薬品メーカー向けの提案に力を入れています。医薬品は製造データを全ての商品にGS1データバーと言うバーコードで記載することが義務付けられることから、レーザー印字ユニットの製作・販売にも取り組んでいます。

輸出にも力を入れなければなりません。現在、自動機の業界全体で輸出比率は売上高ベースで10程度。当社も同じ状況です。これを高めていくためには現地での販売及びメンテナンス要員を強化する必要があります。中国でも人手不足から自動化のニーズが高まっています。

今期は中期経営計画の最終年度であり、次の計画を策定しなければなりません。基本は国内市場をしっかりと確保し、現状の売上高規模を維持すること。加えて海外販売を拡大することです。現在、売上高は約30億円強ですが、これを次期経営3ヶ年計画では40億円まで拡大する。増収のうち5億円程度は海外で伸ばし維持する考えです。そのために中国国際製薬機械博覧会(CIPM)にも他の機械メーカーと組んでラインとして出展しています。

今後、ロボットによる省人化システムやIoTに対応した機械の開発にも取り組みます。すでにディーアイエスソリューションと協力を進めています。DISグループとの連携は強みになるでしょう。

 

医薬品向けソリューションを提案 「インターフェックスジャパン」に出展

 

高機能、省スペースを実現した最新鋭機を紹介

オーエム機械は6月28日から30日まで東京ビッグサイトで開催された医薬・化粧品・洗剤分野の研究・製造技術展「第30回インターフェックスジャパン」に出展しました。

今回の展示会では「VCPC140型スマートカートナー」を実機展示しました。スマートシステム、多軸サーボドライブ、バルコニー構造、マルチサイズの添付文書供給装置の搭載など高機能機でありながら、省スペースを実現した最新鋭機です。

製品をカートナーに確実に供給する瓶用製品自動供給システムも実演しました。一般的な医薬品だけでなく、最近ではサプリメントなどでも瓶詰タイプの需要があることから、こうした分野にも自動機の提案を進めています。

また、医薬品は全ての製品にGS1データバーを記載してトレーサビリティーを管理することが求められており、同社は箱詰め段階で印字処理するGS1データバー印字・検査システムも展示しました。

近年、医薬品分野ではジェネリック医薬品の普及が進みました。ジェネリック医薬品は薬価も低いため製薬メーカーにとって製造段階でのコストダウンが欠かせません。このため包装工程も自動化し、効率化とコストダウンを図ろうとする動きが強まっています。

オーエム機械はこうした動向を確実に捉え、省人化・自動化に貢献する自動機の販売と普及を目指しています。