繊維中核の中間持株会社 事業会社の連携・変革を推進

 

大和紡績は従来の繊維事業を主体に計12社を統括する中間持株会社です。衣料品・生活資材事業では、紡績から製品販売まですべてをコーディネートできる人材を育成しながら製品事業の強化を図ります。化合繊・機能資材事業では強みである技術開発力をベースに、他社との違いを明確にし、それを進化させながら、不織布・不織布製品や産業資材に力を入れます。
しかし、ビジネス環境が劇的に変化する時代ですので、モノ作り・開発・販売などの既存の仕組みを壊す勇気が必要であると考えています。
そこでは、お客さま目線、その背後にある消費者の購買行動の変化をいち早く捉えることが重要です。顧客の変化が需要量、商習慣や価格水準など変化を引き起こします。次に、売上高の大きさだけでなく、その質を高めていきたいと考えています。消費が落ち込むなか、新たな商売に目が向きがちですが、既存の事業を大事にしながらも、過当競争に陥ることなく、販売の質にこだわり顧客満足度を高めていきます。このためにも、当面は既存事業とその周辺領域の開拓に専念し、確固とした市場を作り上げたいと考えています。

私の立場は、毎年の事業計画の進捗管理という役割もありますが、経営資源であるヒト・モノ・カネの配分や当社の方向づけがメーンの仕事です。これだけ事業別に会社があるのですから、総花的になりがちですが、重点を絞っていく作業が大事であると認識しています。
また、事業会社間の連携も強化していきます。中間持株会社である大和紡績はそのコーディネーターとしての役割もあります。これらの連携で新たな事業を作りあげ、10億円規模の事業をいくつも生み出していけるよう努力していきます。
最後は人材育成です。企業は「人」なりとよく言われます。人を育てることが結局は企業業績向上につながります。小さな挑戦に対して前向きな社風を作り、いつもいいことばかり言って結果がついてこなくて言い訳がうまくなるよりも、小さくても実行すること、そうやって切磋琢磨しあえる仲間を増殖させていきたい。社員には、お客様を大事にし、それぞれのお客様にとってナンバーワンの取引先であることを目指してもらいたい。
そして、取引先とはお互いにメリットを享受できる「WIN―WIN」の関係で、コラボレーションを大いに推進していきます。

 

ダイワボウノイ

 

ダイワボウノイ(長崎裕美社長)は衣料品・生活資材事業の中核会社です。
国内外の最適地生産の体制整備が完了し、重点顧客への徹底した企画提案型販売に取り組むとともに、衣料素材およびインテリア・寝装関係の海外展示会への出展により海外展開を強化していきます。
国内工場は、紡績をシンジテキスタイル(島根県松江市)、織布をダイワボウプログレス出雲工場(島根県出雲市)に集約し、差別化品生産と素材開発の拠点と位置づけています。一方で、中国の蘇州大和針織服装や大和紡工業<蘇州>、青島即髪龍山染織、インドネシアのプリマテキスコインドネシア、トーカイテクスプリントインドネシア、ダヤニガーメントを連携させたカジュアル衣料品・インナー製品事業の強化に取り組んでいます。このために、さらにもう一つ縫製拠点の構築も考えています。

また、快適さを追求した機能性インナーに加え、産学協同研究でアレルギー・抗ウィルスなどのメディカル関連製品も強化します。
メディカル関連製品は欧州・中国での開拓も進めています。国内ではコンビニエンスストアなどで抗ウィルス・花粉対策マスク「アレルキャッチャー」も発売しました。このメディカル関連製品も含めて製品の比率を7割以上とすることを目指して参ります。

 

ダイワボウポリテック

 

ダイワボウポリテック(阪口政明社長)は化合繊・機能資材事業のうち、合繊・不織布を担当する中核会社です。播磨工場(兵庫県加古郡)、美川工場(石川県白山市)、益田工場(島根県益田市)で、合繊短繊維・スパンレースを中心とする不織布を生産しています。
合繊では素材からの開発力を生かし、重点的な投資により得意とする複合繊維の商品群を強化しています。衛生材など各種不織布用材料のほか産業資材用途、さらには環境素材である生分解繊維などの拡販にも努めています。当社は複合繊維を強みとし、この複合繊維を不織布、さらには不織布製品に生かしていきます。原料からの一貫生産です。グループ企業であるダイワボウレーヨンとの連携もその一つです。
レーヨン短繊維を除いた原料からの一貫生産による不織布の比率はまだ3割に過ぎません。これを5割に引き上げていくために、研究所において次世代の商材開発も進めています。とくに、地球環境対応やファイン化などによる新需要の創出に取り組んでいます。お客様が直面する課題を深く理解し、お客様が新たな価値を生み出すことができる提案を進めていきます。

 

ダイワボウプログレス

 

ダイワボウプログレス(鳥居進一社長)はダイワボウポリテック同様、化合繊・機能資材事業の中核会社であり、カンバス・産業資材・工業用ゴムの3事業を主力に事業展開しています。
カンバス製造の出雲工場(島根県出雲市)、ゴム製造の明石工場(兵庫県明石市)、益田工場(島根県益田市)の3工場に加え、ダイワボウマテリアルズ和歌山工場(和歌山県日高郡)で、カートリッジフィルター「セキソウ」や土木資材「タングレット」など産業資材を製造しています。
カンバスは国内外のオペレーション機能により、顧客の信頼に応えていくのが重要です。
また、カンバスだけでなく、メッシュベルトなど関連商品の販売にも重点を置いています。
それぞれの事業で、提案型営業の取り組みをさらに強化し、顧客の皆様に高い付加価値と確かな品質で、より一層ご満足いただける提案ができるよう生産・営業一丸となって取り組んでいきます。