カスタマーフォーカスで高度化商材を提案 - 働き方改革も重視し、生産性向上へ -

ダイワボウ情報システム(DIS)を中心とするITインフラ流通事業は、中期経営計画最終年度となる2021年度に連結売上高6368億円、営業利益127億円を計画し、引き続きダイワボウグループの中核を担うことを目指しています。既存事業を中心にカスタマーフォーカス(顧客志向)を強化し、高度化商材の拡販を進めます。また、月額・年額課金や従量課金などのサブスクリプション型ビジネスの拡大など市場創造を目指します。こうした取組みを実行するために“働き方改革”も重視し、生産性の向上にも取組みます。

 

 

─ 前中期経営計画での成果をどのように振り返っていますか。

初年度の2015年度こそ、その前年度まであった「WindowsXP」サポート終了による更新特需が終わったことによる反動で売り上げ計画を100億円以上も下回る結果となりましたが、2016年度以降は市場も持ち直し、最終年度である2018年度は計画を大幅に上回り、売上高、経常利益とも過去最高の数字で終えることができました。従来から取組んできたカスタマーフォーカス(顧客志向)の追求、端末にこだわることで安定的な販売を確保できたこと、注目カテゴリーである高度化商材、文教市場開拓、月額課金ビジネスが市場拡大を上回るペースで拡大できたことが成果です。

一方、課題としてPC端末など既存市場の成長速度が鈍化していることが挙げられます。また、大型案件の増加に伴い利益率も低下傾向です。こうした課題に対して、モバイル・クラウドビジネス商材への取組みの強化、サブスクリプション型ビジネスの早期立ち上げ、そしてサービス&サポートや高度化商材の提案による付加価値向上に加え、販売店向け電子発注システム「iDATEN(韋駄天)」や月額・年額課金や従量課金などの様々なクラウドサービスに対応した販売店向けライセンス契約管理ポータルサービス「iKAZUCHI(雷)」の普及推進によるローコストオペレーションが必要です。
 

 

─ それが新中期経営計画の重点ポイントとなるわけですね。

従来の事業方針と活動を継承することで既存事業を強化・拡大しながら、同時に市場創造に取組むことが重要です。iKAZUCHI(雷)に代表されるサブスクリプション型ビジネスを拡大するために連携メーカーも拡大させ、システムも強化しました。iDATEN(韋駄天)やiKAZUCHI(雷)を支える基幹システムも増強しています。これによりメーカーとDIS、そして販売店がシームレスにつながるシステムの構築を目指します。そうすることによって従来とは異なる収益構造を作ることができます。

その際に特に重要になるのがカスタマーフォーカスの徹底です。営業担当者がどれだけ販売店などを訪問し、営業現場に出向くことができるかが重要になります。従来とは異なるビジネスモデルを作るためには、当社だけでなく販売店も一緒になって変化していかなければならず、当社がどれだけサポートできるのかが問われます。そのために事務作業の効率化など当社の業務改善、“働き方改革”が欠かせません。例えばRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)を活用した事務作業の効率化に取組みます。作業効率化によって作った時間をどれだけ顧客に対して振り向けることができるかが重要になります。また、ネットワーク関連システムなど高度化商材提案のために、DISだけでなくディーアイエスサービス&サポート、ディーアイエスソリューションとの連携強化にも取組みます。

 

 

 

「iKAZUCHI(雷)」などクラウドサービス、サブスクリプション型ビジネスに対応したサービスを拡大

 

─ 今後、期待の商材や取組みは何でしょうか。

ソフトウェアがクラウド化することでサブスクリプション型ビジネスの需要はますます拡大していきます。また、“働き方改革”が社会全体に広がることでテレワーク関連などの新たなモバイル活用需要も創出できます。AI、RPA、ドローンといった新たなテクノロジーに関するビジネス展開にも積極的に取組みます。

今中計ではITインフラ流通事業として売上高6000億円以上を確実に確保することを目指します。その次のステップとして7000億円、8000億円も視界に入れ、事業利益を拡大させることでグループ全体に貢献することが理想です。そのためのバックヤードとなる仕組みをこの1、2 年で構築したいと考えています。