コンピューターは従来、ユーザーがそれぞれのハードウェアにソフトウェアをインストールして使用するのが一般的でした。ところが近年、ソフトウェアの大部分を外部サーバーに置き、ユーザーはインターネットなど通信回線を通じてソフトウェアを使用するクラウドサービスが拡大しています。マイクロソフトなどソフトウェアメーカーもサービスの軸足をクラウドへと移しつつあります。クラウドサービスの普及は、ソフトウェアの販売形態を大きく変えます。それに対応したプラットフォームシステムとしてダイワボウ情報システム(DIS)が提供するのが販売店用サブスクリプション管理ポータル「iKAZUCHI(雷)」です。

クラウドサービスでは、従来のようにソフトウェア商品を販売するのではなく、月額課金など使用容量や使用期間に応じて利用料金を支払う方式(サブスクリプション方式)が主流となります。このためDISの販売パートナーである販売店はエンドユーザーごとに課金条件や稼働・請求内容、ライセンス条件といった膨大な管理業務を担う必要がありました。販売店にとってはエンドユーザーと商品が増えれば増えるほど管理業務が複雑化し、対応できないという問題が発生します。

これを解決するのがiKAZUCHI(雷)です。契約管理ポータルとして、マイクロソフトなどクラウドサービスを提供するソフトウェアメーカーと販売店をつなぐプラットフォームシステムです。iKAZUCHI(雷)は、専用ポータル上でエンドユーザーごとに複数のソフトウェアメーカーとの契約などを一元管理することができます。例えば販売店は複数のクラウドサービスを購入しているエンドユーザーに対して利用料を一本化して請求することができます。こうして煩雑なライセンス管理業務から解放されることで販売店は本来の役割であるエンドユーザーへの商品提案と販売、そして代金回収に専念できる仕組みです。

こうしたシステムは、エンドユーザーにとってもメリットは大きい。エンドユーザーも複数のクラウドサービスと契約するケースが多く、それぞれ契約内容や課金方式が異なり、これらをユーザーサイドで管理することは容易ではありません。そこで煩雑な管理に関してiKAZUCHI(雷)を導入している販売店に一任することで、エンドユーザーは最適なライセンス管理と支払管理を販売店に委ねることが可能になります。

 

 

 

iKAZUCHI(雷)はDISにとっても大きな挑戦です。松本裕之取締役販売推進本部長は「DISは従来、“モノ”を売るビジネスを販売店と一緒になって展開してきました。しかし現在は“モノ”から“コト”へと商品のあり方が変化しています。そこではビジネスのあり方も変わります。それに対応したプラットフォームを販売店とともに作ることがKAZUCHI(雷)の目的です」と話します。

現在、DISではシステム開発から営業まで部署横断による“iKAZUCHI(雷)委員会”を組織し、社内での情報共有化とビジネスモデル高度化に向けた取り組みを進めています。既に約200社が導入しており、これを今期中に1500社以上とするのが目標。すべての都道府県で導入実績を上げることを目指します。7月にはエンドユーザー向けのポータルサイトも開設し、エンドユーザーが各自で自分の契約内容や課金状況を確認できるようにするなど、利便性をさらに高めました。将来的にはソフトウェアだけでなくハードウェアの販売まで含めたサービス機能を搭載することも検討しています。

iKAZUCHI(雷)はDIS のビジネスモデルを大きく変える可能性を秘めています。これまでIT 機器・ソフトウェアのディストリビューター(卸売業者)として存在感を発揮してきたDISは、クラウド社会に対応したソリューション・アグリゲーター(最適なソリューションを“ 集める人”)としての役割を担うことを目指しています。

 

「DIS わぁるどinとちぎ宇都宮」を開催

 

DISわぁるどinとちぎ宇都宮

ICTとIoTで地方創生を支援するソリューションを紹介しました

「DISわぁるど」は、ダイワボウ情報システムが総力を挙げてお届けするICT・IoTの総合イベントです。DISが提携する全国の販売店・エンドユーザーとメーカーとの橋渡し役を自任するDISならではの取り組みで、今年は栃木県宇都宮産業展示館「マロニエプラザ」で、7月19日から20日までの2日間開催し、2000人以上の来場者がありました。

今回の「DISわぁるどinとちぎ宇都宮」は、約130社の企業・団体が一堂に会し、「“ひと”“まち”“しごと”を変えるICT」をテーマに掲げ、インテルや日本マイクロソフト、シスコシステムズによるセミナーの開催に加え、「“とちぎ”の魅力をI CTでパワーアップ」と題して、栃木県の観光資源を世界に発信することや、働き方改革、さらにICT活用による農業革命などをテーマにパネルディスカッションも行いました。

このテーマに関しては地元からの期待も大きく、栃木県と栃木県商工会議所連合会、栃木県商工会連合会、栃木県中小企業団体中央会といった地元自治体と地域経済団体から後援いただきました。さらに働き方改革をテーマにしたパネルディスカッションでは宇都宮市にも後援いただきました。

この他にもVR(バーチャル・リアリティー)・AR(拡張現実)体験コーナーなども設置し多くのお客様に「見て・聞いて・体験」していただくイベントとなりました。

今後もDISは販売店・エンドユーザーとメーカーをつなぐ役割を任うことと同時に、“地域密着”の理念に基づき、地域の働き方改革や地方創生といった課題に向けたICT、IoTの活用などの提案にも力を入れています。