(まつもと・ひろゆき)1989年入社。「2~3年で大阪に帰してやる」といわれたものの、最初の8年間は東京の各支店営業、続く8年間は秋葉原を拠点にコンシューマ営業、更に販売推進本部(東京)で4年間の仕入れ業務を経て首都圏の法人営業統括を3年。都合20余年間ずっと東京勤務。4月から一転、北陸を含む東日本全域を駆け回っている。大阪府出身で、趣味はルアーフィッシング。

 

 

(おおうち・ひろゆき)1987年入社。大阪を皮切りに首都圏・関東の各支店を経て、3月までの3年間は東日本営業本部長として北海道、東北、北関東を統括。4月からは沼津以西より沖縄までを担当しており、法人営業一筋でほぼ日本全国を回ることに。仙台赴任中に遭遇した先の東日本大震災では、先頭に立って救援・復旧活動等を牽引した。兵庫県出身で、趣味はゴルフ。

6月27日付で、ダイワボウ情報システム(DIS)に2人の取締役が誕生しました。東西の営業部門の先頭に立ってダイワボウホールディングスの中核であるITインフラ流通事業を牽引する松本、大内両新取締役に抱負を語ってもらいました。

─取締役に昇任された現在の率直な心境や決意表明を聞かせてください。

松本取締役(以下、敬称略)
入社した時はわずか年商200億円強の会社でした。上司を含め皆で、「500億円の会社を創ろう」と誓い合って3年目に600億円を達成。その後は倍々ゲームで1000億円、2000億円、3000億円に。そして少し足踏みして、昨年4000億円を達成しました。ここまでは、本当に楽しい23年間でした。先輩や同僚たちと一緒に、「大きな会社にするんだ」「もっとやれるんだ」とし、実際に夢がありました。今度は逆に、後輩たちに夢を見せてやろうというのが正直、自分の使命だと認識しています。

大内取締役(以下、敬称略)
厳しい経済環境下ですが、常に時代に合った、環境に合った新しいビジネスの創造と展開が求められています。これが、まさにわたしたちの仕事だと思い、強みを活かし更なる市場開拓とシェア拡大を目指し頑張ってまいりたいと思います。

─DISも創立30年を経て新たな時代を迎えています。そこで改めて、お二人が考えるDISの強さや特色を説明してください。

松本
当社の特徴は間違いなく、営業戦略です。どこの世界に、北海道から沖縄まで全国津々浦々に約90もの営業拠点を持つITディストリビューターがあるでしょうか。都市部だけでなく、あらゆる県や地域に、支店や営業所を隈なく開設しています。その結果が、「DISさんはすぐ来てくれるから」「すぐ相談にのってくれるから」というお客様の声につながるのです。確かに、東名阪に集中したり、空中戦だけ展開していれば利益は出るでしょう。しかしそれでは、先がないのです。各メーカーは、自分の手が届かない先に当社が行ってくれるからDISを頼りにするのです。メーカーが使ってくれる、頼ってくれるディストリビューターでなくなると、先はないと思います。

大内
豊富な人材だと認識しています。ひとり一人が色んな知識を持って、日々営業活動している。マルチベンダーの一員として、これだけ色んな商品知識を持ち、それを最適な商品と組み合わせて提案するなど、メーカーさんや二次店さんでも容易ではないと思います。それと松本本部長も指摘する地域密着営業です。メーカーさんの各地方からの撤退や縮小は避けられない流れです。そうなるとメーカーに頼っていた地場のお客様は不安が増幅し、ますます当社への依存・依頼が強まる構図となります。いまDISにしか出来ない地域密着営業ですが、今後ますますその力が発揮できるでしょう。

─全国に広がる拠点網や豊富な人材を生かして今後、DISが伸張するための課題を挙げてください。

松本
確かに多くのワールドワイドのIT商品を扱ってはいますが、まだまだ世界には無限にIT関連の機器やソフトがあります。現状では、メーカーや商社が持ってきた商品を扱っているだけで、商社のように海外に拠点を置いて海外メーカーの優れた商品を調達して日本で展開するといった取り組みはほとんど出来ていません。当社は「売り」の会社ですが「買い」の会社でもあります。もっとアクティブに商品を調達していくことが必要と考えます。だれでもが扱えるコモディティ商品だけでの商売では、ノーガードに近い値段の叩き合い競争に巻き込まれます。

大内
当社の国内におけるパソコン取り扱い比率は13%前後まで伸びていますが、逆に言えば「まだ13%」であって引き続きシェア拡大を図ることが重要であり、また可能でしょう。しかし一方で、新たなビジネスモデルの構築も緊要だといえます。お客様はシステムと絡んだ動きに一段と強い関心を持たれつつあります。例えば、こういう業種・業態にどのようなシステムを構築すればいいか、それでどのようなことが出来るかなどの問い合わせが急激に増えています。それだけにディストリビューターであっても、しっかりとシステムソリューションが提案できる能力を強めていく必要があると考えています。

松本
当社はこれまで、数千万台のパソコンを売ってきましたが、売って単にその代金を頂戴する企業にとどまっていては駄目なのです。パソコンを買っていただいたお客様と一緒になって、新たな商売等を通してお互いに儲けていく、そういった仕組みを本格化する必要があります。システムソリューションやサービスなども各グループ会社と共同で提案することは十分可能です。

─ニューリーダーとしてDISの営業を引っ張っていかれるお二人に、理想のリーダー論を聞かせていただきます。

松本
山本五十六の「やってみせ、いって聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」を信条にしています。やはりリーダーは率先垂範ですよ。部下に「火をつかめ」といっても、上の人間が熱い栗をつかまなかったら下がやるはずがありません。自分が踏ん反り返って、「さあ、お前行ってこい」では人は絶対に動きません。

大内
私も基本は同じです。言葉を代えると、手本になる人間がリーダー的存在になるということです。となると、自分自身がもっと考え、しっかり動く必要があるとの自覚をますます強めています。それを手本にして各部長、支店長、営業担当者やSA がどんどん育ち、組織として動いていくことができれば、それほど強いものはないと信じています。