2016年度の業績を牽引したITインフラ流通事業、収益力が高まった繊維事業、工作機械に加えて自動機などで新たなニーズへの対応で期待が高まる産業機械事業。ダイワボウグループの主力3事業はそれぞれが独自の強みを発揮しています。ITインフラ流通事業の中核であるダイワボウ情報システム、繊維事業でも積極的な投資とグローバル展開を進めるダイワボウポリテック、産業機械事業の中でも自動化・省人化ニーズの高まりで注目が高まるオーエム機械に焦点を当て、その強さの秘密を探りました。

 

 

ダイワボウポリテックは原綿製造販売の合繊部、不織布関連の生活資材部がありますが、最近は不織布関連の製品が全体をリードしています。最大の強みはシェアの高さです。一般的にある一つの製品で40%のシェアを占めればその分野での地位が安定すると言われますが、当社の不織布販売の約半分を占めるウエットティッシュでは赤ちゃんのお尻ふき用で35%、除菌シートでも27%のシェアを持ちます。クレームの発生率が極めて低いといった高品質の評価が高いシェアにつながってきました。

フェイスマスクや制汗シートなど新しい商品も拡大・成長してきました。素材提供だけでなく製品まで扱うことで、マーケット需要の変化により早く対応ができます。中国や韓国といった海外市場での拡販に取り組み、ニーズに応じた商品を進化させさらにシェアを高めていきます。

一方、原綿は紙おむつ用途が中心です。国内大手メーカーとの取り組みを深めることで事業を拡大してきました。こうした取り組みは国内だけでなく海外にも広げていきます。近年、アジア地域では日本製の高品質な紙おむつの人気が高まっています。こうした中で日本の紙おむつメーカーも東南アジアでの生産を拡大させています。これに対応するため、当社は2013年にインドネシアに不織布製造工場のダイワボウ・ノンウーブン・インドネシア(DNI)を立ち上げ、アジア地域での需要に対応しています。現在はレギュラー品の需要が旺盛ですが、今後は当社の得意とするプレミアムゾーンに特化した製品の販売にも取り組んでいきます。

繊維製品の国内需要の動向を注視する必要がありますが、やはり海外に目を向けないといけません。課題はその地域・国の生活習慣や文化を深く理解して販売戦略を立てることであり、スピードを上げて実行することが重要だと考えています。

 

さらなる海外市場の開拓 次期中計では積極投資の成果発揮へ

 

販売が拡大するフェイスマスク用途

ダイワボウホールディングスの繊維事業で収益を牽引している合繊部門。その中核事業会社がダイワボウポリテックです。紙おむつ向けなどの合繊原綿の製造販売のほか、不織布原反・製品まで幅広い用途に素材と製品を供給しています。

特に不織布関連はウェットワイパー、フローリングシートなどの日用品向けの不織布原反で高いシェアを維持してきました。また、最近ではフェイスマスクや制汗シートといったコスメ用途での販売も拡大しています。とくにフェイスマスクは若い女性の間でも人気が高まり、市場が大きく拡大しています。ダイワボウポリテックは肌への密着性を追求した不織布シートの開発を進め、マイクロファイバーを使った不織布が有名ブランドのフェイスマスクに採用されるなど成果を上げています。また、シートだけでなく製品での供給にも取り組んだことで、新規取引先を開拓することにも成功しています。

フェイスマスクは中国や韓国が世界的にも大きな市場ですが、今後はこれら海外市場での拡販にも取り組みます。中国では現地の有力ブランドへのアプローチを進めています。

一方、紙おむつ向けを中心とした合繊原綿は国内メーカーとの取り組みでシェアを高めてきました。特に中国や東南アジアでは日本製の紙おむつは安全性などの面から人気が高く旺盛な輸出が続いています。こうした需要拡大に対応するためにもダイワボウポリテックは播磨工場の増設を実施しています。

また、大手衛材メーカーは東南アジアでの紙おむつの生産も拡大しており、原料となる不織布の需要も拡大しました。このためインドネシアの不織布製造子会社であるダイワボウ・ノンウーブン・インドネシア(DNI)が生産する不織布の販売も拡大しています。原綿は従来、日本から持ち込んでいましたが、新たに現地の日系合繊メーカーとも連携し、現地生産の原綿を活用した不織布生産にも取り組むことでインドネシアをはじめ中国や東南アジアへの拡販を進めます。

ダイワボウポリテックは、これまで積極的な投資を実施してきました。2018年度から始まる次期経営3ヶ年経営計画では、これまでの投資の成果を発揮することでさらなる成長を目指します。