「DAIWABO HOLDINGS Digest no.77」全体はこちらからご覧いただけます。

学校や地域社会の身近な課題を解決する
ICTを活用した多彩なソリューションを高校生が提案

高校生・大学生を対象とするICT活用アイデアコンテスト「日経STEAM2026シンポジウム」が、2026年7月31日に東京と大阪の2会場で同時開催されました。その中核プログラムの一つが、ダイワボウ情報システム(DIS)が高校生を対象に実施する「DIS STEAMゼミ」です。2022年の初開催から5回目を迎えた今回は、全国20校・22チームが参加し、学校や地域の身近な課題を解決する、多彩なICT活用アイデアを発表しました。

参加校・参加チームが毎年増加 発表内容も大幅にレベルアップ

 

「DIS STEAMゼミ」は、単なるプレゼンテーション大会ではありません。STEAM教育を通じて、自分が通う学校や暮らす地域の課題に目を向け、それを解決する発想力を育むこと、学校での学びを社会やビジネスと結び付けること、そして次世代のデジタル人材を育成することを目的としています。インテルやマイクロソフト、Googleなど、グローバルIT企業の日本法人と連携し、2022年から毎年開催されています。
 

教育ICT分野にも注力するDISはGIGAスクール構想によって整備された「1人1台端末環境をいかに活用するか」を重視しており、日経STEAMシンポジウム全体を通じて、STEAM教育の普及と教育現場におけるICT活用の推進に取り組んでいます。
 

初開催となった「DIS STEAMゼミ 2022」は大阪会場のみで行われ、高校・大学がICTを活用した学びの未来を競い合いました。3回目の2024年からは大阪と東京の2会場をオンラインで接続し、双方向で音声と映像をリアルタイムに共有しながら同時開催しています。
 

テーマも毎年アップデートされています。当初は「ICTで未来を変える。学びの学生生活」を掲げ、教育現場や社会の課題に対するICT活用のビジネスアイデアを競いました。2025年は「ICTで常識を変える。生活・教育の未来探究」をテーマに、身の回りの「当たり前」をICTでどう変革するかを追究。そして今回は「常識を上書きしよう! ICTが作る未来社会」のもと、教育や社会の変革につながるICT活用アイデアを競い合いました。


DIS STEAMゼミは回を重ねるごとに規模を拡大してきました。今年は昨年と同じく、全国20校・22チームが参加。これまで高校生と大学生を対象としていましたが、今回は高校生のみで開催されました。

最優秀賞のアイデアは実際の活用に進展中

 

審査の結果、7チームが各賞を受賞しました。審査員特別賞には、兵庫県神戸市の松蔭高等学校(チーム名:よりそい隊)、さいたま市立浦和高等学校(チーム名:Blue Bird・AYSM)、大阪府茨木市の早稲田大阪高等学校(チーム名:ベアーズ)、兵庫県神戸市の甲南女子高等学校(チーム名:Well Bloom)の4チームが選ばれました。

優秀賞には、東京都豊島区の豊島岡女子学園高等学校(チーム名:クローバー)と愛媛県立松山南高等学校(チーム名:ばーちゃるず2)の2チームが選ばれました。そして、最優秀賞を獲得したのは岡山県立瀬戸高等学校(チーム名:DiSPOT)でした。

瀬戸高等学校のチームは、観光DXによって「通過型観光」という課題を解決し、「目的地としての岡山」を目指す実践的な提案を行いました。岡山県産業労働部観光課のデータ(令和6年)を示し、宿泊者が少ない一方で、日帰り観光客が多いという課題を指摘しました。

さらにJTBや岡山観光連盟へのフィールドワークを通じて、「有名な観光スポットはあるものの回遊しにくい」「地元の若者に人気のスポットが十分に発信されていない」といった課題も見いだしました。

これらの課題に対し、瀬戸高等学校のチームは高校生の視点を生かした2つのデジタルツールを提案しました。

1つ目は観光マッチングアプリ「DiSPOT」です。利用者のニーズに合う観光地を直感的に提案するアプリケーションで、表示される質問に○か×で答えるだけで、希望に沿った観光スポットが自動的に抽出されます。2つ目は岡山県に特化した旅行SNS「オカトリ(OKA TRI)」です。ガイドブックに載っていない、地元の人がおすすめする観光スポットを発信します。

これらの提案はアイデアにとどまらず、すでに備前市や備前商工会議所と連携し、試験運用や実装が進められています。

DISの社員がメンターとして伴走 仕事に生かせる高校生からの学び

 

DIS STEAMゼミでDISが高校生に提供するのは、発表の場だけではありません。課題の選定から解決策の発案、アイデアを具現化する方法、プレゼンテーション資料の作成まで、各チームに専任メンター1名が伴走し、さらに複数のテクニカルアドバイザーが要請に応じて技術面を助言する体制で各チームを支援しました。


今回は2026年5月に第1回のオンラインワークショップを実施しました。チームのメンバーが発表で取り上げたいテーマ(課題)を持ち寄り、DISのテクニカルアドバイザーから各テーマの解決策や実現方法について助言を受けながら議論し、チームとして取り組むテーマを決定しました。その後、課題の調査・分析や解決策の検証を重ね、プレゼンテーション資料を作成。計5回のオンラインワークショップを経て、発表当日を迎えました。


メンターとしてチームを支援したDISの営業職社員の一人は、高校生が学校や地域の課題を柔軟な視点で捉える姿に触れ、その着眼点から多くを学んだといいます。この経験を営業活動における顧客への提案に生かしたいと話していました。
 

また高校生の多彩なアイデアに向き合う中で、グローバルなICT製品を幅広く取り扱い、多様なソリューションを提案できるDISの強みを改めて実感したと語る社員メンターもいました。このようにDIS STEAMゼミは、未来のデジタル人材を育成するだけでなく、DIS自身の成長にもつながる取り組みとなっています。


さらに来場した生徒がSTEAMプログラムを実際に体験できる「DIS特設体験コーナー」も毎回出展しています。DISが取り扱っているAIをはじめとした最新テクノロジーを生かしたICT機器やソリューションを用いて、STEAMのさまざまなプログラムを提供しています。今回は「合成動画作成」「CAD・3Dプリンター」「AR作成」「プログラミング」「ドローン操作」などのコーナーが用意され、どのコーナーも来場した生徒たちが熱心に説明を聞く姿が見られ、終始盛況でした。