圧倒的な販売力・突破力こそDISの原点

 

ダイワボウ情報システム(DIS)は、1982年にダイワボウの非繊維事業展開の一環として設立されました。以来27年間、IT関連機器の独立系ディストリビューターとして順調に成長してきました。今回の経営統合でダイワボウグループのITインフラ流通事業を担当することとなりましたが、あらためてホールディングス全体に占める収益比率の大きさなどその責任の重さを痛感しています。
IT業界も厳しさが増しています。当社は全世界のIT関連ハード及びソフト製品を扱っていますが近年、競合他社が扱う商品もスペックなど似通っておりその扱い製品にはほとんど差異がありません。それだけに今後、どのような形で差別化するかが重要なテーマとなっています。一方で、DISのもう一つの強みである全国90カ所の販売拠点網、17,000社の販売パートナーを生かした地域密着営業の徹底もカギを握っています。もう一度原点に立ち返って、仕入先メーカーとの協業、販売パートナーとの連携などを土台に、お客様との信頼関係強化に取り組んでいます。
今年4月に新設したテクニカル推進本部は、DISグループが付加価値機能を強化・拡大するために重要な役割を果たすと位置づけています。同本部は傘下に、ディーアイエス物流などと協業する「カスタマイズセンター」を持ち、インプリメンテーションやキッティングなどカスタマイズに関するあらゆる受注に素早く対応できる機能を備えています。つまり最新機能の組み込みなどでパソコンを出荷前に完成しておくのがインプリメンテーション業務であり、ユーザーの要望に応じて必要な機能を組み込むのがキッティング業務です。
これらは基本的にはメーカーが所有する機能ですが、現実的にはユーザーに近い当社が最も適役といえます。同時に、150万アイテムに及ぶ全世界のIT関連商品を扱う独立系ディストリビューターだからこそできる業(わざ)だと自負しています。
同推進本部はまた、最新のサーバーやネットワーク機能などを通し、DISグループの技術的蓄積を共有化する仕組みも備えています。既存の販売推進本部と車の両輪になって、営業部隊であるコーポレート、コンシューマー両部門をしっかりサポートするものと期待しています。それだけに営業部隊はIT商品販売のプロにふさわしい商品知識を身につけて、営業の原点といえる販売力を最大限発揮して厳しい市場環境を突破します。この間、なかなか期待通りの成果が上がっていなかった首都圏市場ですが、各種基盤整備によって、今後の結果が期待できる体制になっています。
多くのDIS社員は、DISの出自はダイワボウにあるという意識があります。とは言え設立以来、まったく異なる性質の事業を展開してきたわけですから、完全な統合は簡単ではなく統合効果を性急に求めてもよくないと考えています。しかし先述したように同じDNAを共有するもの同士ですから、相互理解さえ進めば従来の両社の延長線上にはないものも含め、いろんな相乗効果が発揮できる可能性があります。それは意外と早いかもしれません。

 

ディーアイエステクノサービス ディーアイエスアートワークス

 

ディーアイエステクノサービス(菊井薫社長)は、DISのテクニカルサポートを担い、技術で貢献する企業です。そのために技術力と信頼性の向上、サービス&サポート事業の即応力強化、受託業務の運営の効率化の徹底に取り組んでいます。
新商材や海外商材が増える中で、サービス&サポート事業はまだ不十分と考えます。ここに磨きを掛けていくことで、販売店、ユーザー、メーカーに役立つ企業を目指します。
ディーアイエスアートワークス(菊井薫社長)は創業以来、「着想する、創造する、表現する」を企業理念に、お客様の中核を為すイメージ戦略、ビジュアル戦略の支援を行ってきました。
DISグループが提供するITの総合情報誌「月刊PC―Webzine」を中心とする雑誌制作にとどまらず、DTP、Web、Movieさらにイベントのプロデュースや販促品の企画制作まで、幅広い分野でサービスを提供できるよう体制を整えています。

 

ディーアイエス物流

ディーアイエス物流(太田光俊社長)は「安心」「確実」「敏速」をモットーとして自動倉庫などのマテハン機器をフルに活用した、効率的なSCMの実現に努力しています。
DISの仕入・販売と有機的に連携された最新技術を駆使した最先端のITインフラ「DIS―NETⅡ」をベースに、全国14拠点の物流センターを一元的に管理運営しており、ローコストオペレーションで且つ、お客様のあらゆるニーズにきめ細かにお応えできる体制を整えています。
平成20年度には商品150万アイテム、入出荷数量4,400万個以上を取り扱うまでになり、お客様より多くの信頼を頂いております。
平成11年には、ISO14001の認証を取得し、物流業界ではいち早く環境負荷低減につながる活動を経営に取り入れ、10年以上環境問題に取り組んで参りました。
また、今年3月には関東第3センター内に「カスタマイズセンター」が完成しました。
これは、独立系ITディストリビューターとして、それぞれの顧客の要望を販売店やユーザーに成り代わり、このカスタマイズセンターで組み込んで届ける体制で、自由度と利便性が格段に向上しました。
これからも、DISグループ連携のもと、「品質」「技術」「サービス」を総合的に取り扱い、様々な付加価値を提供して参ります。

 

ディーアイエスソリューション

ソリューション事業を展開するディーアイエスソリューション(小川仁司社長)は、システムインテグレーターとしての技術に立脚した“技術立社”を目指しています。
当社は繊維製造業向けモニタリングシステム開発からスタートしました。織機の配台や検反、モニタリングを可能にする生産管理システム「TX―netⅢ」は、織物生産に最適なSCM構築を目的にバージョンアップを重ねてきました。
現在、システムインテグレーターとしての技術力向上のため、社内では「大容量」「ネットワーク」「ウィンドウズ」「アプリケーション」「BCP(事業継続)」の5つの分科会を設けて研究開発を進めています。
大容量及びウィンドウズ分科会は、今後の大容量時代を見据えて仮想化技術を研究開発しています。ネットワーク分科会では非接触型ICカードなどで実用化が進む「RFID(電波による個体識別)」技術の研究に取り組んでいます。
これら5つのコア技術が、当社の技術的方法論の中核となり、社内をクロスファンクションの形で取り組むことで磨きを掛けていきます。

 

ディーアイエスソリューション「TX-netⅢ」

 

 

■累計8,000台以上の織機に接続

 

ダイワボウ情報システムの子会社でシステム構築・ソフトウェア開発事業などを展開するディーアイエスソリューションは、織布工場向け生産管理システム「TX―netⅢ」を販売しています。仕入れから出荷までの工程を一元管理することでユーザーの多品種小ロット短納期生産を支援し、品質を向上させるツールとして多くの織布工場で活躍しています。
「TX―netⅢ」の原点は、ダイワボウが開発した紡績工程及び織布のモニタリング・管理システムです。1982年にダイワボウ情報システム(DIS)が設立されたことを契機に、織機のモニタリングシステムとして販売をスタート。国内外の織布工場で累計8,000台以上の織機に接続される実績を積み重ねてきました。その後、改良とバージョンアップを繰り返し、2005年から「TX―netⅢ」として販売しています。
「TX―netⅢ」の最大の特徴は「受注入力」「製織指図」「原糸受入」「配台計画」「整経計画」「モニタリング」「検反」「在庫」の各工程のモニタリングデータなどをサーバー上で一元管理することで、多品種小ロット生産や掛け替えを容易にすることです。それは生産する織物の品質向上に直結します。

 

■品質向上にも直結 在庫管理も容易

 

配台計画では、織機への仕掛け状況をモニター上で確認しながら予定を組むことができ、織機モニタリングで集計した稼働状況を配台計画にフィードバックすることで正確な計画が可能です。出来高・ビーム使用量など自動集計するので、現場の負担も軽減でき、ビームの在庫管理も容易になります。入力系はガントチャート形式で表現するので、配台状況が分かりやすく、計画はドラッグ&ドロップ操作で簡単に変更することができる。また、各仕掛けの状態を色分けし、製織中、ビーム割当済、ビーム未割当などもひと目で判別できます。
また、検反システムで入力された検反結果は、生機在庫として計上されるため、データの二重登録など入力ミスも防ぎます。CSV出力も可能なので、エクセルを使ってA反率、生産集計など様々な用途にデータを活用できます。入力システムはタッチパネルシステムを採用。入力画面には検査中の反物をイメージしたマップが表示され、検反機と連動してスクロールするので該当箇所に触れるだけで欠点を登録することができ、欠点マップを作成するなど効率よくデータを蓄積することもできます。
他社のシステムソリューションとの互換性もありますので、導入企業がすでに運用している販売管理の基幹システムに「TX―netⅢ」の配台計画、モニタリング、検反システムをリンクすることもできますし、織機に搭載されているコントロールシステムと接続させることも可能です。

 

■今後ますますの 相乗効果に期待

近年、織機メーカーも織機にコントロールシステムを標準装備することが多くなりましたが、織機本体に比べてシステムは陳腐化するのが早く、織機はまだまだ現役でも、搭載するコントロールシステムやモニタリングシステムは最新のものに交換したいというニーズも増えてきました。ディーアイエスソリューションでは、こういったニーズにも対応しています。既存の織機のハードウェアを活用した形で、ホストシステムだけを「TX―netⅢ」に交換することも可能です。
ダイワボウとダイワボウ情報システムが経営統合したことで、ディーアイエスソリューションでは、これまで以上に繊維業界との距離が縮まりました。今後、ますます相乗効果を期待しています。