『DIS WORLD Digital Days 2021』リポート

ダイワボウ情報システム(DIS)が長年にわたって毎年開催してきたICTの総合イベント「DISわぁるど」のオンライン版、「DIS WORLD Digital Days 2021」が2021年2月16日から4日間、インターネット上で開催されました。今年は同イベント初の試みとなるオンライン開催でしたが、バーチャルな空間の利点を生かした工夫が随所に凝らされ、リアル開催のDISわぁるどを超える過去最大規模の成果を収めることができました。

2年ぶりにDISわぁるどを開催

DISわぁるどは毎年、全国各地を訪れる形で長年にわたって開催されてきました。そのため都市部から離れた地域で開催する機会が多いにもかかわらず、出展社数および来場者数を着実に増やしてきた実績があります。ICTというビジネスの成長が期待される領域であることに加えて、DISが全国90カ所の拠点を通じて各地域に密着した営業活動を展開し続けて構築してきた、地域との信頼関係もDISが主催するイベントへの関心を高めていると言えるでしょう。

 

新元号となった令和元年は島根県松江市で開催されました。「DISわぁるど in 山陰 まつえ」の会場は都市部から離れた場所でしたが、8月7日と8日の二日間で約2,600名が来場し、出展社数も150社に上りました。そして翌年の令和2年(2020年)は東京オリンピックの開催が予定され、さまざまな分野で投資の増加が続き、加えてインバウンド消費もさらに拡大することが期待されていました。ところが日本だけではなく世界が大きな困難に直面しました。新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大です。現在も多くの企業が深刻な影響を受けています。こうした困難な状況の中、2020年はDISわぁるどの開催中止が余儀なくされ、長年にわたって続いてきた歴史が途切れてしまいました。しかし今年、DISわぁるどはデジタルの力を生かし、「DIS WORLD Digital Days 2021」(DIS WORLD)として再び開催されました。

DIS WORLD のトップページ<br/>展示会場の各コーナーとセミナー会場に簡単にアクセスできます
拡大
DIS WORLD のトップページ
展示会場の各コーナーとセミナー会場に簡単にアクセスできます

約1万8千名もの参加者が来場

DIS WORLDの開会で挨拶に立ったDISの松本裕之社長は「海外への渡航はもちろん、プライベートにおいても親族との面会すら難しくなるなどリアルな交流が難しくなっています。しかしデジタルの力によってコミュニケーションは進化し、ビジネスは動き続けています。新型コロナウイルス感染症との戦いでは、医療が切迫する中、過去に類を見ないスピードで検査体制が確立され、ワクチン開発が世界で進んでいます。ここでもデジタルは大きな力を発揮しています」と発言するなど、デジタルを活用することの意義を説明しました。

 

DIS WORLDにもデジタルを活用する利点が随所に生かされました。まず開催の規模です。リアル開催には出展するメーカーやパートナーと来場者、そしてDISの各担当者が直接面談して交流できるという利点があります。その一方で、会場に訪問しなければ交流や情報収集ができないという課題もありました。しかしDIS WORLDはインターネット上で開催されるため、パソコンやスマートフォンからインターネットを通じて、世界中のどこからでもDIS WORLDの展示会場の各ブースを訪問して情報収集したり、セミナーを受講したりすることが可能です。

 

こうした利便性の高さに加えて1日8セッション、4日間で合計32セッションもの充実したセミナーも人気を集めました。IT業界のグローバルリーダーであるマイクロソフトやインテル、シスコシステムズ、さらにはアマゾン ウェブ サービス(AWS)といった企業のトップやキーパーソンらが登壇した基調講演や特別講演、さらにこれからのITビジネスの成長をけん引するキーワード、例えばリモートワークやクラウド、ITを活用した学校教育、自治体のデジタル化などをテーマに取り上げたパネルディスカッションや講演など充実した内容でセミナーが開催されました。さらにリアル開催と変わらぬ出展社数で開催された展示ブースも盛況で、DIS WORLDには約1万8千名もの参加者が来場しました。この数字はのべ人数ではありません。DISグループの社員を除いたDIS WORLDに参加登録して実際にアクセス(来場)した人の数です。いかにDIS WORLDの規模が大きいかがわかると思います。

豪華なゲストが登壇した基調講演

初日の基調講演には世界的なネットワークソリューション企業であるシスコシステムズのアメリカ本社の会長 兼CEOであるチャック・ロビンス氏とアジアパシフィックジャパンアンドチャイナプレジデントを務めるデイヴ・ウェスト氏、さらに日本代表の中川いち朗社長が登壇し、日本のデジタル変革を同社がいかに支援していくかが語られました。2日目の基調講演ではアマゾン ウェブ サービス ジャパン 社長の長崎忠雄氏が国内クラウドビジネスへの期待とDISとの連携による成長戦略などを語りました。AWSは社名の通りネット通販の世界大手であるアマゾンのIT基盤を担うとともに、世界中の企業にアマゾンで活用されているテクノロジーを活用したクラウドサービスを提供している企業です。DISは2020年7月1日にAWSとパートナー契約を締結し、国内で初めてディストリビューターとしてAWS ビジネスの展開を始めました。コロナ禍によって企業のIT活用が加速するのに伴いクラウドサービスへの需要が拡大しています。DISではマルチベンダーとして幅広くクラウドサービスの取り扱いを充実させることで、国内クラウドビジネスの拡大、成長に万全の体制を整えています。このほか日本マイクロソフトの檜山太郎 執行役員 常務 パートナー事業本部長やインテルの鈴木国正社長、井田晶也 執行役員 パートナー事業本部 本部長 兼 クライアントコンピューティング事業統括など、豪華な顔ぶれで基調講演が開催されました。

 

基調講演や特別講演でメーカーの市場戦略や顧客の要望、市場の可能性といったIT業界の大局を示したのち、具体的なビジネスへとつなげるための取り組みについてパネルディスカッションで意見交換するとともに、具体的なビジネス展開をテーマや分野ごとに各講演で解説しました。

高い評価を得たセミナーの企画内容

コロナ禍で対面での交流が自粛される中、企業は顧客との接点を維持、拡大、深化させるために積極的にオンラインセミナーを開催しています。こうしたイベントの告知メールが毎日たくさん届くことからもわかる通り、自社のオンラインセミナーに集客することがとても難しくなっているのです。それにもかかわらずDIS WORLDのセミナーへの参加者は、リアル開催時とは比較にならない大きな規模となりました。それは多数のオンラインセミナーが開催される中で、DIS WORLDのセミナーの講演内容や取り上げるテーマが、参加者が強く関心を抱く要素と合致していたからだと思います。これは日ごろDISの社員が、お客さまである全国のパートナーやメーカーと密接に情報交換、情報共有をすることでエンドユーザーが何を望んでいるのか、何に困っているのかを把握してビジネスに臨み、この日ごろからの取り組みがセミナーの企画にも生かされた結果と言えるでしょう。

 

実際にDIS WORLDで開催されたセミナーの中には1,000名を超える参加者が視聴したセッションがいくつもありました。さらに多くのセミナーが500名以上に視聴されるなど、従来のリアル開催のDISわぁるどのセミナーから、一段と規模の大きなイベントへと発展しています。ほかのIT関連のオンラインセミナーと比較しても参加者の人数が多く、企画や講演の内容について視聴者から高い評価が得られました。

リアルの再現とデジタルの利点の融合

DIS WORLDでは展示会場でもデジタルを活用した新しいイベントの様式を提案しました。テレワークの実施でWeb会議によるコミュニケーションが浸透している現在、オンラインセミナーの視聴に違和感を覚える人は少ないと思います。そのためセミナーの様式をオンライン化することは、参加者の観点から比較的容易と言えます。しかし展示会場のオンライン化はどうでしょう。クラウドサービスや各種ソリューションといった形のない製品であっても、来場者はブースに設置された図解パネルやデモンストレーションの画面、説明員との交流など臨場感を求めるものです。これは冒頭で触れたリアル開催の利点です。

 

そこでDIS WORLDではリアル開催の利点をデジタルで再現するとともに、デジタルの利点を融合させた独自の新しい展示会場を構築しました。まるで参加者自身が展示会場の通路を歩いて移動しているかのような奥行きのある立体的なデザインで、展示会場を画面の中に設営しました。画面に表示されている矢印のアイコンをマウスでクリックすると前進したり後退したりできます。左右には各出展社のブースのディスプレイが表示されており、そこをクリックするとブース内に入って展示を見学できるという仕組みです。この方法で展示会場を見学すると、会場内のブースを順番に見て回るというリアル開催時の体験が再現できます。一方で出展社のリストから直接ブースにアクセスして見学できる、オンラインならではの機能も利用できます。見学したいブースが決まっている、特定の出展社のブースを見たいという際に便利な仕組みです。

 

さらに各ブースには出展社およびDIS担当者とリアルタイムで交流できるチャット機能も用意されました。来場者と出展社、あるいはDIS担当者との交流も、リアル開催の利点を損なうことなくオンラインでも再現しています。さらに複数の出展社との交流もブースを歩いて移動することなくスピーディに行えます。これもチャットというデジタルの利点が生かされた成果の一つです。オンラインイベントという新しい様式で開催されたDIS WORLDでしたが、大盛況のうちに閉幕しました。今後はリアル開催のイベントと、DIS WORLDのようなオンラインイベントの双方の利点をうまく組み合わせた「ハイブリッド開催」も期待されています。