テクノロジーとともに進歩する新しい学びの場を生徒たちが体感

社会とテクノロジーの関係が密接になる中で、理数教育に創造性教育を加えた「STEAM教育」の重要性が高まっています。そのSTEAM教育を実際に生徒たちが体験し、学校や社会における課題について解決方法を議論し合う「日経STEAM2023シンポジウム」(主催 日本経済新聞社 大阪本社)が2023年7月19日に大阪で開催されました。ダイワボウ情報システム(DIS)は特別協賛するとともに、教育現場でのICT活用のビジネスアイデアを大学生と高校生の生徒たちが競う「DIS STEAM ゼミ」を主催しました。

 

国内外の大学・高校から34チームが学生サミット未来の地球会議に参加

「日経STEAM2023シンポジウム」では学校生活や日常生活における身近な出来事から課題を見出し、その解決策を提案する「学生サミット 未来の地球会議」をはじめ、SDGsに関する問題がなぜ生じているのかについて仮説を立て、その仮説の検証の過程と結果をポスターで発表する「高校生SDGsポスターセッション」や日経STEAM2023シンポジウムに参加した高校生および大学生の各チームのシンボルキャラクターをデジタルアートで制作して発表する「デジタルアート展示会」、研究者として活躍している女性に会場で自由に質問して交流を図る「女性研究者座談会」、そして教育現場でのICT活用のビジネスアイデアを競う「DIS STEAM ゼミ」などが行われました。

 


学生サミットには国内の大学10校と高校19校の合計29チームに加えて、マレーシア、インドネシア、ラオス、カンボジア、ベトナムの海外5チームが参加して未来の地球を守るためのそれぞれのアイデアについてプレゼンテーションを披露し、インドネシアのスラバヤ工科大学が最優秀賞に選ばれました。スラバヤ工科大学が提案したのはインドネシアの過疎地域における災害時の障がい者向け仮設住宅でした。


また運営を担当した株式会社steAmからsteAm特別賞が立命館守山高校に、塩野義製薬株式会社からSHIONOGI特別賞が武庫川女子大学に贈られました。そのほかベトナム 日越大学がグローバル賞を、大阪府立水都国際高校がクリエイティブ賞を受賞しました。

 

ビジネスコンテスト「DIS STEAMゼミ」をダイワボウ情報システムが主催

DISが主催した「DIS STEAMゼミ」には大学2校と高校12校から合計14チームが参加し、教育現場における課題を取り上げ、ICTを活用してビジネスとして成り立つ解決策のアイデアを競いました。


各チームのメンバーと、メンターを務めたDISの担当者が、約3カ月間かけて議論を重ねて生み出したビジネスアイデアを各チームが熱心にプレゼンテーションしました。審査の結果、最優秀賞に選ばれたのは愛媛県立松山南高校の「南風系Steam 班!!」でした。続く優秀賞は大阪府立千里高校の「NOT WYSIWYG」と大阪経済大学の「岡島ゼミ5 期生2 班」が獲得しました。このほか審査に参加したインテル株式会社と日本マイクロソフト株式会社からそれぞれ審査員特別賞が2校に贈られました。


審査員を務めたインテル 執行役員 パートナー事業本部 本部長 高橋大造氏は「どのチームも教育の現場や日本の社会における問題をしっかり認識しており、テクノロジーをきちんと理解した解決策を提案していました」と評価を述べました。同じく審査員を務めた日本マイクロソフト 執行役員 パブリックセクター事業本部 文教営業統括本部 統括本部長 中井陽子氏は「各チームの発表に対する別のチームからの質問に、皆さんが的確に回答していたことに感心しました。これは各チームがアイデアを深く掘り下げて考えた成果です」と述べました。


日経STEAM2023 シンポジウムに特別協賛しDIS STEAMゼミを主催したDIS 松本裕之社長はDIS STEAMゼミに参加した生徒たちに向けて、「DISが携わるICTのビジネスでは海外の企業の競争力が高くなっています。皆さんがSTEAM 教育のような新しい教育を楽しみ、皆さんで考えて今の世の中を変えて、日本の未来を作って欲しい」と語りかけました。

 

STEAM教育の意義を伝え日本で浸透させるために

会場ではDIS 山下隆生常務と、DIS STEAMゼミで審査員を務めたインテルの高橋氏、日本マイクロソフトの中井氏の三名による座談会も行われました。座談会でインテルの高橋氏は同社がSTEAM教育を広げるための取り組みの一つである「STEAM Lab」を紹介しました。

 

また日本マイクロソフトの中井氏はSTEAM 教育の支援プログラムの一つとして「Hacking STEM」を紹介しました。最後に山下常務は「全国94 拠点と各地域のパートナーさまとともに全ての学校が生徒たちにとって最善の学びの場となるよう、ICTを通じて支援していきます。これは地域密着のディストリビューターであるDISの役割だと考えています」と締めくくりました。


なおこの座談会の模様は日本経済新聞電子版と、DISが発行する『月刊PC-Webzine』(2023年10月号)に掲載されています。

 

左:インテル 高橋氏、中央:DIS 山下常務、右:日本マイクロソフト 中井氏