今年6月に弁護士の角石紗恵子氏が社外監査役に就任しました。角石氏は弁護士として会社法務全般にわたり専門的知見を持ち、企業への指導や相談対応に多くの実績があるほか、民事、刑事ともにあらゆる領域で幅広く弁護士活動を行っています。ダイワボウホールディングスでは適切な監査を行うために各事業会社の社員と積極的にコミュニケーションを図ることと、ダイバーシティへの取り組みを進展させることなど、一緒に協働して会社をもっとよくしていきたいと語りました。

ダイワボウホールディングス
社外監査役
角石 紗恵子

 

大学の法律相談部で弁護士の基礎を学ぶ

 

ダイワボウホールディングスの社外監査役に就任した角石紗恵子氏は京都府出身で、大阪の大学の法学部に進学しました。入学当初は弁護士になることを意識していなかったとのことですが、法学部を選んだ理由について角石氏は「社会の仕組みや世の中で起こっているさまざまなことを理解することにおいて、どのようにしてルールを決めているのか、そのルールをどのようにして運用しているのかに興味があり、法律だけではなく政治も学ぶことができるため法学部に入学しました」といいます。

 

角石氏は大学の法学部に入学してすぐに「法律相談部」というサークルに入りました。法律相談部では週に一度、大阪市内で無料の法律相談会を開催し、年に1、2 度、地方でも法律相談会を実施していました。

 

法律相談部に入った理由について角石氏は「1 年生、2年生のころは弁護士になることを意識していませんでしたが、大学で学んでいることを困っている人への助言に生かせることに魅力を感じました」といいます。

 

法律相談会でさまざまな相談に応じる中でやりがいを感じるようになり、それが弁護士を目指すきっかけにもなりました。角石氏は「法律相談会では相談者から話を伺って、メンバー同士で対応策を検討し、それを相談者に説明します。役に立てたこともあれば、十分ではないと感じたこともありましたが、相談者の困りごとへの助言が解決へと進むための何らかの役に立っていることを実感しました。またどのような法律が使われていて、どのようにバランスを取っているのか、机上の空論ではなく弁護士の業務が実践的に体験できました」と語ります。この経験を経て、3年生になる際にロースクールへ進むこと、すなわち弁護士になることを決意しました。

 

新しい知識、新しい体験は楽しいもの

 

角石氏は2011 年10月に弁護士登録され、現在までの12 年間に民事と刑事を問わずあらゆる事件を扱ってきました。その中で一貫して現在も取り組んでいるテーマが児童虐待です。児童虐待に取り組むきかっけとなったのは弁護士になった際の同期の弁護士から児童虐待に対処する委員会の活動を聞き、弁護士など専門家の助けを必要としていると知ったことです。興味を持った角石氏はさっそく活動に参加し、現在は堺市児童虐待等援助チーム委員をはじめ大津市公正職務審査委員会委員、堺市子ども子育て会議委員として活躍しています。

 

弁護士の仕事について角石氏は「人や社会に貢献できることに使命を感じているのはもちろんですが、弁護士は仕事として飽きないことも魅力です。相談の内容は時世を反映して変わっていきますので、常に新鮮な気持ちで仕事に臨めます。変化に対応するためには常に勉強しなければなりませんが、新しい知識を身に付けたり、新しい経験をしたりすることは楽しいものです」と語ります。

 

ダイワボウホールディングスの社外監査役への就任も角石氏にとって、まさに新しい経験となります。

 

 

ダイバーシティの推進にも注力したい

 

角石氏は大和紡績にはなじみがあるものの、ダイワボウ情報システム(DIS)については聞き覚えがなかったといいます。角石氏は「DIS はBtoB の事業をしているため一般の人にあまり知られておらず、私も知りませんでした。社外監査役を引き受けるにあたりDISについて調べてみると、日本のICT の要を担う大事な仕事をしており、とても大きな組織であることに驚きました」と話しています。
 

また角石氏は「ダイワボウホールディングスは日本の伝統的な産業を担う大和紡績とオーエム製作所、そして最新テクノロジーを用いた製品を販売するDISという対極的なビジネスを営む事業会社を有しており、複数の異なる市場でそれぞれが確固たる地位を築いていることは、将来の変化に対応するのに強みとなります。また異なる事業に、何かつながりが生まれて新しい何かを生み出すことに大きな期待が持てます」と述べています。

 

角石氏は社外監査役として、また弁護士という専門職も生かし、取締役の職務の執行が適正な手続きによって行われているか、ダイワボウホールディングスおよび事業会社のあらゆる業務や会計が適正に行われているのかなどを監督、監査することが役割となります。角石氏は「取締役会に参加した際に出席者の全員が活発に発言し、意見に耳を傾けており、取締役会の風通しが良く、経営方針が適切に決められていると感じました」といいます。

 

今後の活躍について角石氏は「女性という立場から女性やマイノリティの方々が生き生きと働ける職場環境の実現に向けて、改善できることを実施していけば、もっと良い会社になると思います。それには数字で効果を示す必要があります。ただし数字を上げるためだけではなく、他の社員も無理なく働けることも両立していかなければなりません。現場で働いている社員の皆さんとのコミュニケーションがなければ適切な監査はできません。一緒に協働して会社をもっと良くしていきたいですね」と意気込みを語りました。