ファッション系専門職大学院との産学連携で取り組むアップサイクル

 

大和紡績グループのカンボウプラスは建築工事、インフラ、猛暑・災害対策などに関わる高機能素材を福井・鯖江にある工場で製造し、皆様の生活の安全を陰ながら支えてきました。工場では原材料のリサイクル、規制が広がる可塑剤の使用量を減らすような新製品の開発、大阪ガスの放射冷却技術を用いた環境負荷削減に向けた新素材「SPACECOOL」の開発など、SDGsを意識した活動に取り組んでいます。


その一環として、カンボウプラスでは若手社員を中心に、工場で出る大量の廃材を利用した商品開発も進めています。廃材とはいえ、基準の厳しい産業用途では使用できないだけで、見た目には遜色ない廃材も多く発生します。そこで、日本唯一のファッション系専門職大学院「文化ファッション大学院大学(BFGU)」と連携し、ファッションを学ぶ院生の授業の一環として特別講義を実施し「工業用には使えない端材・廃材を、その素材本来の機能性を活かしたまま、新しく生まれ変わらせる。廃材に新たな命を。生活に彩りを。」というコンセプトに賛同した1年次生とともに、商品化を目標とした産学連携アップサイクルプロジェクトを実施しました。参加院生は4グループに分かれ、あまり手にしたことのない屈強な生地に苦戦しながらも、制作に取り組みました。完成した作品はどれも斬新で素晴らしいものでしたが、特に工夫が凝らされていた作品は「カンボウ賞」「社長賞」として表彰されました。この作品をプロトタイプと位置づけ、カンボウプラスでは商品化を目指しています。また、2年次生には「WorkWear」をテーマに市場調査を元に機能性を活かしながら社会の課題解決を目指すアパレルブランドの実務をシミュレーションして、漁業で働く女性や庭師をターゲットにしたワークウェアなど、素材の防水性や難燃性を活かしたワークウェアが制作されました。これらの作品は新宿駅前の大通り(甲州街道)に面する文化学園の正面ショールームに約2週間にわたり展示されました。


今回の産学連携プロジェクトはアップサイクルにとどまらず、当社にとっては社会貢献や、業界認知につながり、大学院側からは、実社会と結びつく実践的な取り組みや、素材研究を経験することができたと好評で、win-winの関係を築くことができました。カンボウプラスではSDGsに資する取り組みをこれからも推進していきます。

 

BFGU FW1年次生作品展示

2年次生「Work Wear」作品