─ ESGの取り組みが求められる理由は何ですか。

 

ESGとは環境・社会・ガバナンスの3つの観点からステークホルダーへの配慮を行うことで、企業の中長期的な成長につなげていくという考え方です。


短期的に利益のみを追求しても、社会への悪影響が生じれば持続的な成長は見込めません。事業として利益を上げながら、社内環境整備や人材育成など社内基盤の強化につなげていき、そのことを社外に示すことで企業としての存在意義を広く伝えていこうというものです。これはグループ経営理念に資する取り組みとなります。


ポイントは投資家と取引先です。投資家においては、ESGは企業投資の判断基準としても注目されます。非財務の情報でありながら、企業へ投資する際にも活用され、財務状況だけでは見えにくい将来の企業価値を見通す上でESGの重要性が認識されています。取引先においては、今後、ESGに関する情報開示がビジネスの取引条件となる可能性があります。

ダイワボウホールディングス
常務取締役 ESG推進委員長代行
辰已 敏博

─ 取り組みが求められる主な内容は何ですか。


特に重要視される脱炭素化は、当社グループとしてもしっかり取り組んでいかなければならない課題です。株主や投資家からの関心も高まっており、取引先からの要請も高まることが予想されます。そのために現在、グループ各社のデータを集約の上、CO2排出量(スコープ1,2,3)の算定および2030年の環境目標設定に取り組んでいます。

 

また6月には改訂コーポレートガバナンス・コードが公表され、サステナビリティに関する内容として、環境リスクへの対応や人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮などが新たに明記されました。今後、ESG推進体制で審議の上、適切に情報開示していく予定です。


─ 今後、グループ全体にESGをどのように浸透させていきますか。

 

ESGの取り組みを強化するため、ESG推進委員会を昨年4月に設置しました。事業3社の社長およびホールディングス各室長が委員となり定期的に開催しています。実務ベースでの推進会議も設置し、社内の理解を深めるためグループ共通のESGポータルサイトも昨年リリースしました。ESGを身近に感じていただくよう情報発信も強化していきたいと考えています。最後に、社員の皆さまには、ぜひ新聞やテレビで見るESGに関心を持っていただき、日常の中でESGを意識した取り組みをお願いしたいと思います。

マテリアリティ(重要課題)とSDGs

グループESG目標2021「Daiwabo Sustainable Action2021」

マテリアリティ策定の背景

 

地球規模の環境・社会問題が深刻化する中、社会課題は企業にとって中長期的なリスクと機会になりうることから、事業を通じて社会課題を解決し、社会とともに持続的に成長することが求められています。このような背景のもと、当社グループにおいても、持続可能な社会との共生を実現するため、GRIスタンダードやSDGs(持続可能な開発目標)などの国際的な基準・ガイドラインをふまえ、「解決すべき社会・環境課題」と「当社グループの事業成長」の両軸で事業機会とリスクを整理し、優先的に取り組む課題をマテリアリティとして策定しました。