当社グループは2022年1月に人権に対する基本的な考え方を開示し、今年7月には「ダイワボウグループ人権方針」を制定・開示しました。ここでは人権への取り組みがなぜ重要なのか、そもそも人権とは何なのか、そして当社グループの人権への取り組みについて概要を説明します。
人権とは何か
人権とは、人間が人間らしく尊厳をもって幸せに生きる権利であり、この権利はすべての人々が生まれながらに持っています。
「 国際人権規約」では、基本的人権として、自由権と社会権の権利を規定しています。自由権は個人の生活に国家権力の干渉や妨害を受けることのない一定の領域が存在し、これを保障するという観点に立った権利であり、国家によってはじめて与えられるのではなく、国家以前に存在すると考えられているものです。社会権は個人の生活の保障が国家の果たすべき責任であるとの認識に基づいて、国の施策により個人に認められる権利です。
例えば、思想の自由、表現の自由、身体の自由などは自由権であり、教育を受ける権利、労働の権利、労働者の団結権などは社会権といいます。(出展:外務省「世界人権宣言と国際人権規約」)
当社グループにおいてもグループ企業行動憲章に「人権と多様性の尊重」を掲げ、すべての人々の人権を尊重し、いかなる差別も行わないこと、世界人権宣言などの国際的な行動規範を尊重し、持続可能な社会の創造に向けて、高い倫理観を持って行動してまいります。
人権への取り組みがなぜ重要なのか
2011年に国連で承認された「ビジネスと人権に関する指導原則」によれば、企業は、事業活動を通じて、国際的に認められている人権を侵害しないように注意を払う責任があるとされており、仮に、第三者によって引き起こされる人権侵害であっても、自社の製品やサービスと直接関係しているとみなされる場合には、こうした人権への負の影響に対処することが必要となります。欧米各国中心に、企業にこうした取り組みの実施義務を課す法制化も進んでいます。
また、ビジネスと人権に関する指導原則の3つの柱として「方針によるコミットメント」「人権デュー・ディリジェンスの実施」「救済」があります。企業は、国際的に認められている人権を理解し、自社の事業活動が負の影響を与えうる人権の保有者を特定したうえで、こうした事業活動上関連のある人権への負の影響を回避・軽減・除去する手順・仕組みを整備し、対応していくことが求められています。
当社グループの人権への取り組み
職場における差別やセクハラ・パワハラなど、企業内における人権侵害のほか取引先(調達先や投資先など)のバリューチェーン上で、自社が人権侵害に加担する場合についても企業責任の対象と考えられています。
そのような背景のもと、人権については、当社グループが解決に貢献する社会課題の1つとして認識しており、人権を尊重し、社会的責任を果たす企業として、今年7月に「ダイワボウグループ人権方針」を制定・開示しました。現在、当社グループの事業活動における人権への負の影響を特定することを目的として、人権デュー・ディリジェンスの実施を検討しています。人権課題への取り組みは社会課題とビジネスの両方に資する取り組みとなりますので、関係部署からの要請への対応など、従業員および取引先の皆様には積極的なご協力をお願いいたします。

DAIWABO HOLDINGS Digest no.73(2024年9月発行)
- 『2030 VISION』の実現を目指して新たなグループ体制で挑戦する|ダイワボウホールディングス 代表取締役社長 西村幸浩
- 中期経営計画 ITインフラ流通事業|ダイワボウ情報システム 経営企画部長 竹林寛臣
- 中期経営計画 産業機械事業 | オーエム製作所 取締役 兼 経営企画管理部長 今井隆二
- グループESG活動目標「Daiwabo Sustainable Action2024」| ESG活動
- 社会とビジネス両面での信頼を高めるための「人権」への取り組み| ESG活動
- 企業の価値は売上や利益だけではない みんなが幸せになれる会社と仕事を目指す | ダイワボウホールディングス 常務取締役 山下隆生
- 国際金融の専門的な知見と高度なスキルを新たな事業ポートフォリオの推進に役立てたい | ダイワボウホールディングス 社外取締役 岸波みさわ