国内トップシェアを維持し、鉄道システム輸出事業に向けた開発にも挑戦

オーエム製作所

 

鉄道車輪は、重量がかかった状態で鋼鉄製のレールの上を高速回転するため、摩耗や変形が生じます。このため定期的にメンテナンスしなければ、乗り心地の悪化や騒音の発生につながります。車輪旋盤は、車輪を旋削加工する専用機械であり、鉄道の安全な運行を縁の下で支える存在です。オーエム製作所は鉄道車輪旋盤の国内生産のパイオニアであり、主力のCNC床下車輪旋盤「LUF-106」は初号機が発売されてから約30年にわたって鉄道会社に採用され続け、業界トップシェアを維持しています。

 

ドイツのヘーゲンシャイト社から技術供与を受けたオーエム製作所は、1993年に「LUF-106」の国産化に成功しました。これを皮切りにブレーキディスク加工機など鉄道業界向けの専用機を開発し、鉄道車両工場の新設ライン建設プロジェクトで受注を獲得するなど、オーエム製作所は国内の鉄道業界で車輪旋盤メーカーとして幅広く認知されています。

 

今後は、長期にわたって検討される新線計画や車両基地建設における機械の導入提案、導入済み車輪旋盤の更新需要の獲得などが課題です。また近年は、政府開発援助(ODA)などによる発展途上国への鉄道システム輸出事業も進められていることから、これらのプロジェクトに向けた開発にも挑戦し、さらなる市場拡大を目指します。

CNC床下車輪旋盤
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CNC床下車輪旋盤